公開日: 2025.06.26
【2025】外国人の就労ビザとは?種類・申請条件・取得方法・必要書類をわかりやすく解説
外国人の就労ビザとは?種類・申請条件・取得方法・必要書類をわかりやすく解説

「外国人就労ビザ」は、就労可能な在留資格全般の呼び方として、世間一般に使われています。外国人材が日本で合法的に就労するためには、就労が可能な在留資格が必要です。

実は、「就労ビザ」は正式な名称ではありません。就労ができる在留資格は、出入国管理及び難民認定法(入管法)とその下位命令(施行規則)により規定されています。

採用担当者や人事担当者の多くが「外国人材を採用したいけれど、どのような手続きが必要なのかわからない」「申請に必要な書類は何?」「企業側はどのような条件を満たす必要があるのかわからない」といった疑問を抱えています。また、企業経営者からは「審査においては何がチェックされる?」「不許可となる理由と対策を知りたい」という声も多く聞かれます。

実際に、在留資格の種類や申請条件を正しく理解していないと、書類不備や適格性の問題で不許可となり、貴重な人材を失うリスクがあります。適切な準備なしに申請を進めて失敗するケースも少なくありません。

そこで今回は、外国人材の採用を検討している採用担当者・人事担当者・企業経営者が知っておくべき外国人就労ビザの基礎知識と申請成功のための5つの重要ポイントについて、申請手続きから審査基準、不許可対策まで具体的に解説します。

目次

就労可能な主な在留資格

就労可能な主な在留資格には、複数の種類があります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。ここでは、就労可能な主な在留資格について解説します。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 技能
  • 特定技能
  • 高度専門職
  • 経営・管理

技術・人文知識・国際業務

技術・人文知識・国際業務は、ITエンジニアや翻訳者、マーケティング担当者などの専門職に適用される在留資格です。出入国在留管理庁によると、この在留資格は大学や専門学校で学んだ専門知識を活かして働く外国人材を対象としています。

技能

技能は、調理師や外国料理のシェフ、スポーツトレーナーなど特定の技能を持つ方向けの在留資格です。厚労省の統計によると、この資格を取得するには通常10年以上の実務経験が求められることが多いようです。専門的な技術を持っている人材に適しています。

特定技能

特定技能は、人手不足が深刻な特定産業分野で働く外国人材向けの比較的新しい在留資格です。2019年4月に新設されたもので、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

高度専門職

高度専門職は、高度な学術研究活動や専門技術活動を行う外国人材向けの優遇された在留資格です。出入国在留管理庁のポイント制に基づいて評価され、通常は学士以上の学位が求められます。高度な専門性を持つ人材にとって魅力的な選択肢になっています。

経営・管理

経営・管理は、日本で事業を経営したり、事業の管理に従事したりする外国人材向けの在留資格です。この在留資格では、事業の安定性や収益性が重視されます。起業家や経営者を目指す外国人材に適しています。

外国人就労ビザ申請の基本的な流れ

外国人就労ビザの申請には、複数のステップがあります。企業担当者は次の流れを把握しておきましょう。外国人就労ビザ申請の一般的な流れは次のとおりです。

  • 雇用契約締結
  • 在留資格認定証明書の申請
  • 審査
  • 証明書交付
  • ビザ申請
  • 来日・入国審査
  • 住民登録

思ったより手続きが多いと感じるかもしれませんが、一つずつ確実に進めていくことが大切です。

雇用契約締結

まず、受入れ企業が外国人材と雇用契約を結びます。厚生労働省が定める労働基準法に基づき、適切な雇用条件を提示することが重要です。

この段階できちんとした契約書を作成することが、後々のトラブル防止につながります。同一の労働内容の場合、日本人が就労する場合と同等の給与水準であることもポイントです。

在留資格認定証明書の申請

新しく在留資格を取得する場合、求職者が日本にいないため、申請代理人として企業が「在留資格認定証明書」を申請する必要があります。出入国在留管理庁によると、この証明書は外国人材が日本大使館でビザを申請する際に必要となる重要な書類です。ここでつまずく企業も少なくありませんので、書類作成には注意しましょう。

参照元:

審査

続いて、入国管理局による審査が行われます。この過程では、申請書類の内容が精査され、必要に応じて追加資料の提出や面接が行われることもあります。

出入国在留管理庁によると、審査期間は通常1〜3ヶ月程度とされています。出入国在留管理庁のホームページにおいて、1ヶ月ごとに「在留審査処理期間」として公表されているため、おおよその審査期間が把握できるようになっています。

参照元:

証明書交付

審査に通ると、在留資格認定証明書が交付されます。この証明書は出入国在留管理庁から発行され、有効期間は3ヶ月間です。この期間を過ぎると無効になってしまい、申請しなおさなければなりません。そのため、次のステップへの移行を迅速に行う必要があります。

ビザ申請

在留資格認定証明書を取得後、日本国の査証(ビザ)を取得する必要があります。

査証とは、入国の許可証のことをいい、ビザとも呼ばれます。外国人材本人が、自国の日本大使館または領事館でビザ申請を行います。外務省の規定では、在留資格認定証明書のほか、パスポートや写真などの提出が必要とされています。この段階では外国人材自身が手続きを行うことになるため、必要に応じてサポートしましょう。

査証は入国の申請をするときの一つの要件であり、在留許可は日本国に滞在し続けることの許可です。在留資格は、外国人が日本に入国してできる活動を類型化したものです。

来日・入国審査

ビザが発給されたら、来日し入国審査を受けます。入国審査では、在留資格に合致した活動を行う意思があるかなどがチェックされます。この段階でも問題が生じる可能性があるため、事前に十分な説明を行っておくことが大切です。

住民登録

最後に、居住地の市区町村役場で住民登録を行い、在留カードが交付されます。総務省の規定では、来日後14日以内に行うことが義務付けられています。この手続きを忘れると、後々トラブルの原因になりますので必ず行いましょう。

参照元:資料1-①仮住民票の作成等に係る流れについて(総務省)

外国人就労ビザ申請における主な審査基準

外国人就労ビザの申請が審査される際には、基準があります。出入国在留管理庁が公表している審査基準には、主に次のようなものがあります。審査の視点を理解しておくと、申請の成功率が高まるでしょう。

  • 活動内容の妥当性
  • 申請者の資格
  • 企業の状況
  • 日本人との代替可能性

参照元:情報公開(出入国在留管理庁)

活動内容の妥当性

申請された活動(仕事内容)が希望する在留資格の範囲内であるかどうかが審査されます。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で申請する場合、実際の業務内容がこの資格の範囲内であることが必要です。この点で不一致があると、審査に通らない可能性が高くなります。

申請者の資格

ビザ申請人の学歴や専攻課程、研究内容などが十分であるかどうかも重要な審査基準です。

出入国在留管理庁の規定によると、特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、大学や専門学校での専攻内容と担当職務との関連性が重視されます。学歴と職種のミスマッチには注意が必要です。

参照元:在留資格「技術・人文知識・国際業務」(出入国在留管理庁)

企業の状況

受入れ企業の経営状態、報酬水準、事業の安定性なども審査対象となります。企業の財務状況が不安定な場合、申請が不許可となるリスクが高まります。安定した経営基盤があることを示す資料の準備が重要です。

日本人との代替可能性

その職種が日本人では代替が困難であるかどうかも審査されます。厚生労働省の政策では、特に専門性の高い職種や人手不足の分野における外国人材の受け入れが推進されています。なぜ日本人ではなく外国人材が必要なのか、その理由を明確に示せることが重要です。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

外国人就労ビザの申請者の資格と条件

外国人就労ビザの申請を成功させるためには、申請者自身が一定の資格や条件を満たしていることが不可欠です。いくら受入れ企業の準備が整っていても、申請者の条件が審査基準に達していなければ、申請は不許可となる可能性が高いでしょう。採用前に、次の点をしっかり確認しておくようにしてください。

  • 必要とされる学歴・職歴の要件
  • 職種と在留資格の適切なマッチング
  • 申請に必要な日本語能力レベル

必要とされる学歴・職歴の要件

各在留資格で求められる学歴や職歴の要件は次のとおりです。

就労ビザの種類資格・条件
高度専門職学士以上の学位(大学卒業)が求められることが多い
技術・人文知識・国際業務「外国人材が卒業した大学や専門学校での専攻内容」と「外国人材に担当させようとする職種」がリンクしていることが必要になる
技能通常10年以上の実務経験が求められる
特定技能技能試験と日本語試験に合格することが条件となる

出入国在留管理庁の規定によると、特に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、専攻内容と業務内容の関連性が重視されます。この点は特に注意が必要な部分です。

参照元:在留資格「技術・人文知識・国際業務」(出入国在留管理庁)

職種と在留資格の適切なマッチング

職種と在留資格のマッチングは、申請の成否を左右する重要なポイントです。技術・人文知識・国際業務ビザでは、大学や専門学校で専攻した専門知識を活かして日本で働く場合にのみ就労が認められます。

たとえば、「総務」として働くには文系の専攻内容を大学で学んでいることが必要であり、「エンジニア」として働くには理系の専攻内容が必要になります。ただし、採用しようとする職種で「10年以上」の実務経験があれば、技術・人文知識・国際業務ビザの取得条件をクリアできることも法務省の規定で定められています。

申請に必要な日本語能力レベル

在留資格別に求められる日本語能力のレベルは異なります。文化庁の指針に基づくと、次のようになります。

在留資格の種類日本語能力要件
技術・人文知識・国際業務専門職としての業務を行うため、必ずしも高度な日本語能力は求められないことが多い
特定技能1号日本語能力試験(JLPT)N4レベル以上が基本的に必要になる
高度専門職ポイント制の中で日本語能力が加点要素となる場合がある

特に特定技能外国人材の場合、出入国在留管理庁の規定では、日本語能力試験N4レベル相当以上の日本語能力が求められることが多いです。職場でのコミュニケーションのためにも、ある程度の日本語能力は重要視されます。

参照元:

外国人就労ビザ申請における受入れ企業側の条件

外国人就労ビザの申請においては、申請者の資格だけでなく、受入れ企業側も一定の条件を満たす必要があります。入国管理局は、外国人材が適切な環境で雇用されるかどうかを重視しています。企業側の準備も申請成功の鍵を握っています。ここでは、外国人就労ビザ申請における受入れ企業の条件について解説します。

企業に求められる資格と待遇条件

受入れ企業に求められる主な資格と待遇条件は次のとおりです。

  • 安定した経営状態
  • 「日本人と同等以上」の給与
  • 適切な就労環境の整備

安定した経営状態

直近数年間の決算書類が審査され、適切な利益を上げているか、債務超過状態ではないかなどがチェックされます。少なくとも直近3年間の決算書の提出が求められることが一般的です。小規模企業や設立間もない企業は、この点で不利になることもあるため、経営の安定性を示す補足資料を用意しておくとよいでしょう。

「日本人と同等以上」の給与

外国人材に支払われる給与は、日本人と同等以上であることが原則となります。厚生労働省の労働基準法に基づき、差別的な待遇は認められません。

特に、同じ職種・スキルレベルの日本人従業員との給与格差は審査で厳しくチェックされます。コスト削減目的での外国人材雇用と見なされないよう、適切な給与設定が必要です。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

適切な就労環境の整備

外国人材の技能や知識を活かせる職場環境や、適切な福利厚生(社会保険への加入など)が求められます。厚生労働省の指針では、労働環境の整備や社会保険の完備が強く求められています。外国人材が安心して働ける環境づくりは、定着率向上にもつながります。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

外国人雇用に関する企業の法的責任

受入れ企業に求められる外国人雇用に関する主な法的責任は次のとおりです。

  • 外国人雇用状況の届出義務
  • 労働関連法規の遵守
  • 社会保険への加入手続き
  • 在留資格の確認義務

外国人雇用状況の届出義務

企業は外国人材を雇い入れた場合、または外国人材が離職した場合、その日から1ヶ月以内にハローワークに届け出る必要があります。これは厚生労働省が定める「外国人雇用状況の届出制度」に基づく義務です。意外と忘れがちな手続きですが、怠ると罰則の対象となる可能性があるので注意しましょう。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

労働関連法規の遵守

外国人材に対しても、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの労働関係法令が適用されます。厚生労働省の統計によると、これらの法令違反は在留資格の取り消しや更新拒否の原因となり得ます。日本人従業員と同様の労働条件を整えることが求められます。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

社会保険への加入手続き

一定の条件を満たす外国人材は、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などの社会保険に加入する必要があります。厚生労働省の規定では、週30時間以上働く場合は社会保険への加入が義務付けられています。保険料の負担が増えるからといって加入を怠ると、大きなトラブルの原因になりかねません。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

在留資格の確認義務

雇用する外国人材が適切な在留資格を持ち、その在留資格で認められた活動範囲内で働いているかを確認する責任があります。出入国在留管理庁の指針によれば、不法就労を助長した場合は罰則の対象となります。定期的な確認が必要です。

参照元:在留資格「技術・人文知識・国際業務」(出入国在留管理庁)

適切な雇用契約書の準備

雇用契約書は外国人就労ビザ申請において非常に重要な書類です。次の点に注意して作成しましょう。

  • 雇用期間、就業場所、業務内容、労働時間・休日、給与・賞与、社会保険の加入状況、退職・解雇条件など、雇用条件の詳細が明確に記載されている必要があります。
  • 特に業務内容は、申請する在留資格で認められる活動範囲内であることが重要です。
  • 日本語と外国人材の母国語(または英語)の両方で作成することが望ましいとされています。

厚生労働省のガイドラインでは、雇用契約書に記載すべき条件が詳細に定められています。これらの条件を満たさない契約書は、ビザ申請の不許可理由となることがあります。曖昧な表現は避け、具体的かつ明確な記載を心がけましょう。

参照元:外国人雇用対策 Employment Policy for Foreign Workers(厚生労働省)

外国人就労ビザ申請における必要書類

外国人就労ビザの申請を成功させるには、必要書類を漏れなく準備することが極めて重要です。書類に不備があると、審査が遅れたり、最悪の場合は申請が不許可となったりする可能性もあります。チェックリストを作成して、一つひとつ確認しながら準備を進めることをおすすめします。

申請者本人が準備すべき書類リスト

外国人材本人が準備すべき書類には、次のようなものがあります。

必要書類概要
パスポート有効期限が十分に残っているものが必要です。
証明写真一般的に縦4cm×横3cmサイズのものが必要です。
履歴書日本の標準的な形式によるものが必要です。
学歴証明書最終学歴の卒業証明書や学位証書のコピーが必要です。
職歴証明書外国人材の職歴についての書類としては、過去の勤務先の在職証明書、その他職歴がわかる資料が必要になります。
資格証明書職業に関連する資格や免許を持っている場合は、そのコピーが必要になります。
日本語能力証明書日本語能力試験(JLPT)の認定書やその他の日本語能力を証明する書類があれば提出します。

出入国在留管理庁の規定では、これらの書類はすべて日本語または英語で提出する必要があり、他の言語の場合は翻訳を添付することが求められています。外国人材本人への説明も忘れずに行いましょう。

受入れ企業が準備すべき書類リスト

企業側が準備すべき書類には、次のようなものがあります。

必要書類概要
在留資格認定証明書交付申請書申請の基本となる書類です。
雇用契約書適切な内容の雇用契約書が必要です。
企業概要説明書企業の事業内容、規模、沿革などを説明する書類です。
登記事項証明書企業の存在と法的状態を証明する公的書類です。
決算書企業の財務状況を示す書類で、直近1〜3年分が必要になることが多いです。
納税証明書企業の納税状況を証明する書類です。
賃金台帳現在雇用している従業員の給与支払状況を示す書類です。
社会保険料納付状況証明書健康保険や厚生年金の納付状況を証明する書類です。
事業所の写真事業所の外観、内観、事務スペース、作業スペースなどの写真が必要となることがあります。
組織図企業の組織構造を示す書類です。

これらの書類はすべて最新のものであり、正確な情報を含むことが求められています。書類の期限切れには特に注意が必要です。

書類作成における一般的な注意点

書類作成時には、次の点に注意しましょう。

  • 記載内容の一貫性
  • 正確な情報の記載
  • 空欄をなくすこと
  • 日付の正確な記入
  • 外国語書類への翻訳添付
  • 明瞭なコピーの提出

細かいところですが、こうした点が審査に影響することもあります。

記載内容の一貫性

すべての書類間で情報に矛盾がないように注意することが重要です。出入国在留管理庁の審査では、書類間の整合性が厳しくチェックされます。たとえば、履歴書と職歴証明書の日付が一致しないなどの不整合があると、不許可の原因となることがあります。

正確な情報の記載

虚偽の情報や誇張した情報を記載すると、不許可の原因となります。虚偽申請は在留資格の取り消しや将来的な申請への悪影響をもたらします。たとえ良かれと思っての誇張であっても、正確な情報を記載することが重要です。

空欄をなくすこと

申請書などの書類には、該当しない項目でも「なし」「該当なし」などと記入し、空欄を作らないようにすることが出入国在留管理庁から推奨されています。空欄があると、情報が不足していると判断される可能性があります。

日付の正確な記入

すべての書類に日付を正確に記入することが重要です。特に有効期限のある書類については、期限内であることを確認しましょう。日付の記入漏れや誤りは、思わぬトラブルの原因になることがあります。

外国語書類への翻訳添付

外国語で作成された書類には、日本語または英語の翻訳を添付することが必要です。翻訳者の氏名と連絡先も記載することが求められています。翻訳の質も審査に影響するため、専門家に依頼することをおすすめします。

明瞭なコピーの提出

書類のコピーは明瞭で読みやすいものを提出することが重要です。不鮮明なコピーは審査の遅延や不許可の原因となる可能性があります。特に小さな文字や印鑑などが判読できるよう、高品質なコピーを用意しましょう。

外国人就労ビザ申請後の対応と審査過程

外国人就労ビザの申請において、書類提出後の対応と審査過程を理解することも重要です。申請から許可までには一定の時間がかかり、その間に追加の対応が必要となることもあります。焦らず、適切に対応することが成功への近道です。

在留資格認定証明書交付申請の流れ

在留資格認定証明書交付申請は、外国人就労ビザ取得における最も重要なプロセスです。多くの採用担当者や人事担当者が「申請後はどのような流れになるのか」「どれくらいの期間がかかるのか」「途中で何か対応が必要になるのか」といった不安を抱えています。

ここでは、申請書類提出から証明書交付までの具体的なステップと各段階でのポイント、そして企業側が把握しておくべき注意事項について詳しく解説します。事前に流れを理解しておくことで、スムーズな手続きが可能となり、外国人材の採用計画も立てやすくなります。

  • 申請書類提出
  • 受付票の発行
  • 審査期間(1〜3ヶ月程度)
  • 審査状況の確認方法
  • 証明書の交付
  • 証明書の有効期間(3ヶ月)

申請書類提出

仕事内容に合致する在留資格・就労ビザにて、勤務地を管轄する入国管理局で「在留資格認定証明書交付申請」を行います。適切な申請場所を選ぶことが審査をスムーズに進めるポイントです。管轄を間違えると、申請書類が転送される必要があり、時間がかかってしまいます。

参照元:在留資格認定証明書交付申請(出入国在留管理庁)

受付票の発行

申請書類の提出時に、受付票が発行されます。この受付票は審査状況の確認や問い合わせの際に必要となるため、大切に保管しましょう。紛失すると問い合わせが困難になることがあります。また、問い合わせは電話で来ることがあります。電話に出られるようにしておくこと、不在着信の場合はすぐに折り返すことも重要です。

審査期間(1〜3ヶ月程度)

申請から審査結果が出るまでの期間は、通常1〜3ヶ月程度かかります。申請が集中する時期(3〜4月、9〜10月)は特に審査期間が長くなる傾向があります。時間に余裕をもって申請することをおすすめします。

参照元:在留審査処理期間(出入国在留管理庁)

審査状況の確認方法

審査の進捗状況は、入国管理局のウェブサイトや電話で確認することができます。出入国在留管理庁では、申請番号を使用したオンラインでの進捗確認システムも提供しています。定期的に確認することで、追加資料の提出要請などに迅速に対応できます。

証明書の交付

審査の結果、申請が許可されると、在留資格認定証明書が交付されます。出入国在留管理庁の統計によると、適切に準備された申請の許可率は約80〜90%とされています。通知を受けたら、速やかに証明書を受け取りましょう。

参照元:出入国管理統計統計表(出入国在留管理庁)

証明書の有効期間(3ヶ月)

在留資格認定証明書は、発行日から3ヶ月間有効です。出入国在留管理庁の規定によると、この期間内に外国人材本人が日本大使館または領事館でビザ申請を行う必要があります。期限切れには十分注意しましょう。

参照元:在留資格認定証明書の有効期間について(出入国在留管理庁)

入国管理局での面接対応のポイント

外国人就労ビザの申請においては、面接が行われる場合もあります。その際には次の点に注意しましょう。

  • 事前準備
  • 正確な情報提供
  • 具体的な説明
  • 必要書類の持参
  • 適切な言語対応

事前準備

面接の通知があったら、申請内容を再確認し、想定される質問に対する回答を準備することが重要です。出入国在留管理庁の審査官は、申請内容の一貫性や妥当性を確認するための質問を行います。想定問答集を作っておくと安心です。

正確な情報提供

面接では、申請書類に記載した内容と一貫性のある回答をすることが重要です。法務省の統計によれば、面接での回答と申請書類の内容に矛盾がある場合、不許可となるリスクが高まります。緊張すると記憶が曖昧になることもあるので、事前に申請内容を再確認しておきましょう。

具体的な説明

特に業務内容については、抽象的な説明ではなく、具体的かつ詳細に説明することが求められます。出入国在留管理庁の審査官は、実際の業務内容が在留資格の範囲内であるかを厳密に確認します。「専門的な業務です」といった曖昧な表現ではなく、具体的な業務内容を説明できるよう準備しておきましょう。

必要書類の持参

面接時に追加資料の提出を求められることがあるため、関連する書類を持参しておくと安心です。法務省の指針では、面接時に提示を求められる可能性のある書類リストが公開されています。念のため、申請書のコピーや関連資料を持参しておくことをお勧めします。

適切な言語対応

手続き全般を外国人材本人が理解しているとは限らないため、日本語の理解力などに不安がある場合は、書類作成の部分から企業がサポートすることが必須になります。文化庁の調査によれば、言語コミュニケーションの問題は申請不許可の一因となることがあります。必要に応じて通訳を手配することも検討しましょう。

追加資料の提出を求められた場合の対応

審査の過程で追加資料を求められることは珍しくありません。こうした場合の対応方法も知っておくと安心です。

  • 迅速な対応
  • 正確な資料の準備
  • 不明点の確認
  • コピーの保管

迅速な対応

追加資料の提出要請があった場合は、できるだけ早く対応することが重要です。出入国在留管理庁の統計によると、追加資料の提出が遅れると、審査期間がさらに長くなる傾向があります。通常、追加資料の提出には期限が設けられています。この期限を守らないと、申請が不許可となる可能性もあるため注意が必要です。

正確な資料の準備

追加資料も申請書類と同様に、正確で一貫性のある情報を提供することが重要です。法務省の指針では、追加資料の質が審査結果に大きく影響するとされています。急いで用意したために不備が生じることのないよう、十分に確認しましょう。

不明点の確認

追加資料の内容や提出方法について不明点がある場合は、入国管理局に直接確認するか、専門家に相談することをおすすめします。出入国在留管理庁のホットラインでは、申請に関する質問に対応しています。わからないことは素直に質問しましょう。

コピーの保管

提出する追加資料のコピーを保管しておくと、後で内容を確認する際や再申請が必要になった場合に役立ちます。法務省の指針では、提出したすべての書類のコピーを保管することが推奨されています。書類管理用のファイルを用意しておくと便利です。

外国人就労ビザ申請不許可となる一般的な理由と対策

外国人就労ビザの申請が不許可となるケースもあります。不許可となった場合、再申請には時間とコストがかかるため、最初の申請で成功させることが望ましいでしょう。よくある不許可理由とその対策を押さえておくことで、申請の成功率を高めることができます。ここでは、外国人就労ビザ申請不許可となる一般的な理由とその対策について解説します。

申請者の資格不足

申請者が希望する在留資格に必要な学歴や職歴、専門性を持っていない場合、申請が不許可となることがあります。これは比較的多いケースです。

解決策

申請前に、希望する在留資格に必要な要件を十分に調査し、申請者がこれらの要件を満たしているか確認しましょう。

出入国在留管理庁のガイドラインには、各在留資格に必要な要件が詳細に記載されています。不明な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。

参照元:在留資格一覧表(出入国在留管理庁)

職務内容と在留資格の不一致

専攻内容に関連しない職種での採用の場合や、外国人材が高卒の場合には条件を満たさないことがあります。ただし、採用しようとする職種で「10年以上」の実務経験があれば技術・人文知識・国際業務ビザの取得条件をクリアできます。

解決策

職務内容を在留資格に合わせて調整するか、職務内容に適した在留資格を選択しましょう。

法務省の統計によると、職務内容と在留資格の不一致は不許可理由の上位を占めています。場合によっては、業務内容の一部を調整することで、在留資格の要件に合致させることも検討できるでしょう。

参照元:許可・不許可事例(法務省)

企業の経営状態の不安定さ

受入れ企業の経営状態が不安定である場合、外国人材に安定した雇用を提供できないと判断され、申請が不許可となることがあります。創業間もない企業や赤字が続いている企業は特に注意が必要です。

解決策

企業の財務状況を改善するか、安定した経営状態を示す補足資料を提出しましょう。財務状況に不安がある場合は、事業計画書や将来の見通しを示す資料を追加で提出することも一つの方法です。

給与水準の低さ

外国人材に支払われる予定の給与が、同じ職種の日本人の一般的な給与水準よりも低い場合、申請が不許可となることがあります。外国人材を安価な労働力として扱っているという印象を与えないようにしましょう。

解決策

外国人材に対して「日本人と同等以上」の給与を提供することを確保し、適切な給与水準を設定することが重要です。地域や業種ごとの平均給与水準を調査し、それを下回らないようにすることが大切です。

書類の不備や矛盾

提出書類に不備があったり、書類間で矛盾する情報があったりする場合、申請が不許可となることがあります。意外と多いのが、書類の不備による不許可です。

解決策

提出前に書類を慎重にチェックし、すべての必要書類が揃っているか、情報に矛盾がないかを確認しましょう。可能であれば、専門家に書類の確認を依頼することも有効です。

外国人就労ビザの再申請時における注意点

不許可となってしまった場合でも、諦める必要はありません。次の点に注意して再申請を行いましょう。

  • 不許可理由の把握
  • 問題点の改善
  • 申請内容の見直し
  • 詳細な説明資料の追加

不許可理由の把握

再申請の前に、前回の申請が不許可となった理由を可能な限り把握することが重要です。不許可通知に記載された理由を十分に分析し、対策を講じましょう。

問題点の改善

前回の申請で指摘された問題点を改善しましょう。たとえば、給与水準が低いと指摘された場合は給与を引き上げる、書類不備があった場合は完全な書類を揃えるなど、具体的な対策が必要です。

申請内容の見直し

前回とまったく同じ内容で再申請しても、同様の結果となる可能性があります。職務内容や雇用条件など、申請内容を全体的に見直し、必要に応じて変更を加えましょう。

詳細な説明資料の追加

再申請では、前回の不許可理由に関連する部分について、より詳細な説明資料を追加することが有効です。たとえば、業務内容についてより詳細な説明書や、企業の安定性を示す追加資料などが役立つでしょう。

外国人就労ビザの申請で専門家の支援を受けるタイミング

ビザ申請は複雑なプロセスです。必要に応じて専門家の支援を受けることも検討しましょう。

  • 申請前の相談
  • 書類準備の段階
  • 不許可後の対応

申請前の相談

申請プロセスを開始する前に、専門家に相談することで、申請の可能性や必要な準備について現実的なアドバイスを受けることができます。特に初めて外国人材を雇用する企業は、事前相談を活用すると安心です。

書類準備の段階

必要書類の収集や作成において、専門家のサポートを受けることで、書類不備のリスクを減らすことができます。複雑な書類作成は専門家に依頼することで、ミスを減らせます。

不許可後の対応

不許可となった場合、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた者が代理申請を行うことができます。専門家は不許可理由に対する効果的な対策を提案し、再申請の成功率を高めることができます。諦めずに専門家の力を借りることを検討しましょう。

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人材会社として中小企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ

事業拡大や組織風土にマッチするような、企業のDNA、価値観にあう人材を選ぼうとする原則が働いています。「ただ送りつけて終わり」のような乱暴な紹介はしないという姿勢が特徴です。

全業種対応のHR事業も行っている会社であるため、業種業態への理解も高まっています。さまざまな業界の特性を理解した上でのマッチングが可能です。

マーケティングの力により、幅広く人材を探し出す

安定した集客経路もありますが、あえて固定化しておらず、常に人材の質を高めようとし続けています。さまざまな集客チャネルを活用することで、質の高い人材プールを形成しているのです。これにより、企業のニーズに合った人材を見つけやすくなっています。

一人ひとりと丁寧に面談を実施している

豊富なルートで集客しているため、多様な人材の中からマッチする人を選べます。そのため、そもそも紹介する人の質が高いのです。

面接前に「事前確認もなくいきなり紹介」ということはなく、徹底して面談を繰り返しています。たとえば、「喫煙」「宗教」「食事」「集団生活」など、トラブルの種となりそうな情報も事前にクリアリングします。

外国人材採用ラボの外国人材の紹介サービス

外国人材採用ラボの外国人材紹介事業では、外国人材の採用を効率的に推進しています。具体的には、次のような特徴があります。

  • SNSを活用した効果的な集客を行っています。
  • 日本語の求人票を母国語に翻訳したり、クリエイティブによってリードを獲得したりする工夫をしています。
  • 母国語に精通したオペレーターが一次選定・二次選定をしたうえで面接に進めるため、上質な人材と出会える可能性が高まります。
  • 登録支援機関として、義務的支援の委託も可能なワンストップサービスを提供しています。

こうした特徴により、外国人材採用の煩雑さを大幅に軽減することができるのです。

外国人材採用ラボの外国人材紹介事業の魅力

外国人材採用ラボの外国人材紹介事業には、次のような魅力があります。

  • 豊富な求人候補者を抱えているため、ご依頼頂いた後、迅速に面接してもらうことができます。スピーディーな採用活動が可能です。
  • 登録支援機関であるため、義務的支援の委託までワンストップで任せることができます。空港・アパート間の送迎や、外国人受け入れ可のアパートの紹介も紹介料なしで任せられることは大きなメリットです。
  • 外国人材の母国語を話せるコーディネーターが在籍しているため、働く前にルールや注意事項をしっかり説明できます。これにより、就業後のミスコミュニケーションを減らすことができます。

こうした特徴から、特定技能外国人材の採用を検討している企業にとって、非常に頼りになるパートナーといえるでしょう。

まとめ

外国人就労ビザの申請は複雑なプロセスですが、適切な準備と理解によって成功確率を高めることができます。企業が外国人採用を検討する際には、就労ビザの種類から申請フロー、注意点などを理解することが重要です。今回紹介した5つの重要ポイントを押さえておきましょう。

  • 申請者の資格と条件の確認
  • 受入れ企業側の条件整備
  • 必要書類の完全準備
  • 申請後の適切な対応
  • 不許可要因の理解と対策

これらのポイントを理解し、申請を慎重に進めることで、外国人材の採用と定着を実現することがでるでしょう。必要に応じて専門家のサポートを受けながら、計画的に申請を進めることをおすすめします。

「外国人材採用ラボ」なら、人材紹介から在留資格の届出・手続き、義務的支援の実行まで、ワンストップでサポートが可能です。特定技能外国人の受け入れを検討している方は、ぜひ株式会社クレイプラスの「外国人材採用ラボ」までお気軽にお問い合わせください。

外国人材の採用は、人手不足解消や多様な視点の導入など、企業にとって大きなメリットをもたらします。適切な手続きを経て、Win-Winの関係を構築していきましょう。

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