
近年、特定技能制度における工業製品製造業分野において、特定技能外国人を雇用する企業が増加傾向にあります。2024年度には、工業製品製造業分野に新たに7種類の業務区分が追加され、より幅広い業種・業態の企業で特定技能外国人を受け入れることができるようになっています。
一方、はじめて特定技能外国人の雇用を検討している企業にとって、特定技能制度は複雑で理解しにくいところがあります。中には「工業製品製造業分野で特定技能外国人になるためにはどのような試験に合格する必要があるのか」「工業製品製造業分野で特定技能の在留資格を取得するために必要な試験の難易度はどの程度なのか」といったお悩みをお持ちの方も少なくありません。
そこで今回は、工業製品製造業分野の特定技能外国人になるために必要な試験の内容や難易度を解説します。これから特定技能外国人の採用を検討している企業や、雇用している外国人材について特定技能への移行を検討している企業の経営者や人事・教育担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
特定技能制度の概要
まずは、特定技能制度の概要について解説します。
特定技能制度とは
特定技能制度とは、人材の確保が困難になっている産業上の分野(以降「特定産業分野」)において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れるために設置された在留資格制度です。特定技能の在留資格を取得して日本で働く外国人材のことを特定技能外国人といいます。
2019年度に特定技能制度が創設されて以降、特定技能外国人の総数は増加傾向にあります。人材難の実情に伴い、特定産業分野や業務区分についても拡大傾向にあり、今後ますます特定技能外国人を雇用する企業は増えていくと考えられます。
特定技能1号・特定技能2号とは
特定技能の在留資格には、「特定技能1号」「特定技能2号」の2種類があります。
- 特定技能1号:相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格
- 特定技能2号:熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格
特定技能1号の外国人材に対して、受入れ機関(受入れ企業)は「1号特定技能外国人支援計画」を策定の上、義務的支援を提供しなければなりません。義務的支援には、来日前のガイダンスや出入国の際の送迎、住宅の確保、日本語教育機会の提供などが含まれます。義務的支援を受入れ機関で実施するのが難しい場合、登録支援機関に委託することが可能です。
特定技能1号よりも特定技能2号の方が、在留条件の面で優遇されています。たとえば、特定技能2号の場合、在留期間の更新を行えば上限なく日本に滞在することが可能となります。また、配偶者と子の帯同も認められています。
ただし、特定技能2号の在留資格を取得するためには、特定技能1号よりも高度な技能試験への合格が必要であるのに加え、一定の実務経験も必要となります。
特定技能制度の創設から年数が浅いこともあり、2025年9月時点では、特定技能2号の外国人材の総数は多くありません。そのため、特定技能1号の外国人材を雇用した上で、特定技能2号に移行するための学習支援・キャリア支援を提供する受入れ機関が多いです。
特定技能制度の工業製品製造業分野とは
特定技能制度における特定産業分野の一つに工業製品製造業分野があります。2024年12月末時点で、工業製品製造業分野で働く特定技能外国人の総数は次のようになっています。
工業製品製造業分野の特定技能外国人の総数
在留資格 | 人数 |
---|---|
特定技能1号 | 45,183人 |
特定技能2号 | 96人 |
工業製品製造業分野には、次の10種類の業務区分があります。
業務区分 | 概要 |
---|---|
機械金属加工区分 | 素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事する業務区分 |
電気電子機器組立て区分 | 電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事する業務区分 |
金属表面処理区分 | 表面処理等の作業に従事する業務区分 |
紙器・段ボール箱製造区分 | 紙器・段ボール箱の製造工程の作業に従事する業務区分 |
コンクリート製品製造区分 | コンクリート製品の製造工程の作業に従事する業務区分 |
RPF製造区分 | 破砕・成形等の作業に従事する業務区分 |
陶磁器製品製造区分 | 陶磁器製品の製造工程の作業に従事する業務区分 |
印刷・製本区分 | オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業に従事する業務区分 |
紡織製品製造区分 | 紡織製品の製造工程の作業に従事する業務区分 |
縫製区分 | 縫製工程の作業に従事する業務区分 |
このうち、紙器・段ボール箱製造区分、コンクリート製品製造区分、RPF製造区分、陶磁器製品製造区分、印刷・製本区分、紡織製品製造区分、縫製区分の7種類の業務区分については、2024年度の制度改正によって新設されています。業務区分の創設から間もないこともあり、2025年9月時点では、特定技能2号の受入れ対象外です。
ここでは、工業製品製造業分野における特定技能外国人の受入れの背景や業務区分ごとの在留資格の設置状況を解説します。
参照元:
工業製品製造業分野で特定技能外国人の受入れが進められている背景
工業製品製造業分野で特定技能外国人の受入れが進められている背景には、深刻な人手不足の状況があります。製造業分野に関する職種における2022年度時点の有効求人倍率は次のようになっています。
- 鋳物製造工:6.83倍
- 金属熱処理工:6.03倍
- 鍛造工:5.89倍
- 計量計測機器組立て工:7.33倍
- プラスチック製品製造工:5.21倍
- 鉄工・製缶工:5.72倍
有効求人倍率の平均値が1.28倍であることを踏まえると、製造業全体で人材不足が深刻化していることがわかります。
製造業分野における労働需要はこれからも増加し続けると見込まれており、2028年度には424,300人程度の人材不足が発生すると考えられています。このような背景から、即戦力として活躍してもらえる特定技能外国人の受入れが積極的に進められています。
今後、工業製品製造業分野では、2024年度から2028年度までの5年間にかけて、最大で 173,300人の特定技能外国人が受け入れられる予定となっています。
参照元:工業製品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(厚生労働省・経済産業省)
工業製品製造業分野における特定技能1号・特定技能2号の設置状況
工業製品製造業分野では、業務区分によって、特定技能1号のみが設置されているものと、特定技能1号・特定技能2号の両方が設置されているものに分かれています。2025年9月時点の設置状況は次のとおりです。
業務区分 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
機械金属加工区分 | あり | あり |
電気電子機器組立て区分 | あり | あり |
金属表面処理区分 | あり | あり |
紙器・段ボール箱製造区分 | あり | なし |
コンクリート製品製造区分 | あり | なし |
RPF製造区分 | あり | なし |
陶磁器製品製造区分 | あり | なし |
印刷・製本区分 | あり | なし |
紡織製品製造区分 | あり | なし |
縫製区分 | あり | なし |
工業製品製造業分野の特定技能外国人になるには所定の試験に合格する必要がある
外国人材が工業製品製造業分野で特定技能の在留資格を取得するためには、特定技能運用要領で定められた日本語試験や技能試験に合格する必要があります。工業製品製造業分野には、10種類の業務区分が設けられており、業務区分の種類によって受験すべき試験が異なります。
雇用している外国人材の在留資格を特定技能に移行する場合は、あらかじめ自社で取り扱っている業務内容に従事できる業務区分を確認の上、所定の試験に合格してもらう必要があります。
工業製品製造業分野の特定技能外国人が従事できる業務内容
工業製品製造業分野の特定技能外国人が従事できる業務内容は、在留資格の種類や業務区分によって異なります。
特定技能1号の場合、指導者から適宜業務指示を受けながら、業務区分ごとに定める作業に従事します。特定技能2号の場合は、これに加えて複数の技能者に教育指導を行う、工程を管理するなどのマネジメント業務も任せることが可能です。
特定技能外国人には、専門的な知識・技能が求められる業務に加えて、その業務に従事する日本人が通常あわせて従事することとなる関連業務も任せることが可能です。ただし、関連業務のみに従事させることはできません。
ここでは、工業製品製造業分野の業務区分ごとに特定技能外国人が従事できる業務について紹介します。
参照元:
機械金属加工区分で従事できる業務内容
機械金属加工区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事 | 複数の技能者を指導しながら、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事し、工程を管理 |
従事する主な業務 | ・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・鉄工 ・工場板金 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・機械検査 ・機械保全 ・電気機器組立て ・塗装 ・溶接 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 ・金属熱処理業 | |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
電気電子機器組立て区分で従事できる業務内容
電気電子機器組立て区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事 | 複数の技能者を指導しながら、電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事し、工程を管理 |
従事する主な業務 | ・機械加工 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・プリント配線板製造 ・電子機器組立て ・電気機器組立て ・機械検査 ・機械保全 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 | |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
金属表面処理区分で従事できる業務内容
金属表面処理区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、表面処理等の作業に従事 | 複数の技能者を指導しながら、表面処理等の作業に従事し、工程を管理 |
従事する主な業務 | ・めっき ・アルミニウム陽極酸化処理 | |
想定される関連業務 | 当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる以下のような関連業務 ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
紙器・段ボール箱製造区分で従事できる業務内容
紙器・段ボール箱製造区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、紙器・段ボール箱の製造工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・紙器・段ボール箱製造 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
コンクリート製品製造区分で従事できる業務内容
コンクリート製品製造区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、コンクリート製品の製造工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・コンクリート製品製造 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
RPF製造区分で従事できる業務内容
RPF製造区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、破砕・成形等の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・RPF製造 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
陶磁器製品製造区分で従事できる業務内容
陶磁器製品製造区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、陶磁器製品の製造工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・陶磁器工業製品製造 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
印刷・製本区分で従事できる業務内容
印刷・製本区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・印刷 ・製本 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
紡織製品製造区分で従事できる業務内容
紡織製品製造区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、紡織製品の製造工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・紡績運転 ・織布運転 ・染色 ・ニット製品製造 ・たて編ニット生地製造 ・カーペット製造 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
縫製区分で従事できる業務内容
縫製区分の特定技能外国人が従事できる業務内容は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
概要 | 指導者の指示を理解し、または自らの判断により、縫製工程の作業に従事 |
従事する主な業務 | ・婦人子供服製造 ・紳士服製造 ・下着類製造 ・寝具製作 ・帆布製品製造 ・布はく縫製 ・座席シート縫製 |
想定される関連業務 | ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
工業製品製造業分野の特定技能外国人になるための試験とは
工業製品製造業分野で特定技能の在留資格を取得するための試験の内容は在留資格の種類や業務区分によって異なります。
特定技能1号の場合、技能試験・日本語試験への合格が必要です。具体的には次のとおりです。
試験 | 概要 |
---|---|
技能試験 | 業務区分別の製造分野特定技能1号評価試験に合格 |
日本語試験 | 国際交流基金日本語基礎テスト(以降「JFT-Basic」)で判定基準点以上または日本語能力試験(以降「JLPT」)でN4以上の試験に合格 |
特定技能2号の場合は技能試験への合格に加えて、一定の実務経験を満たす必要があります。技能試験の要件を満たす方法としては、特定技能2号評価試験ルートと技能検定ルートの2種類があります。
特定技能2号評価試験を受験する場合は、併せてビジネス・キャリア検定も受験する必要があります。技能検定を受験する場合、受験資格として実務経験年数などが求められます。外国人材の経歴によっては技能検定を受験できないケースもあるため、特定技能2号評価試験ルートを選択することが一般的となっています。
試験 | 概要 |
---|---|
技能試験 | 業務区分別の製造分野特定技能2号評価試験とビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニング区分または生産管理オペレーション区分のいずれか)の両方に合格、または技能検定1級に合格 |
日本語試験 | なし(日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験が必要) |
ここでは、業務区分ごとの具体的な試験情報を紹介します。
機械金属加工区分の試験情報
機械金属加工区分で特定技能1号・特定技能2号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 | - |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(機械金属加工) | ・製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工) ・技能検定1級(鋳造) ・技能検定1級(鍛造) ・技能検定1級(ダイカスト) ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(金属プレス加工) ・技能検定1級(鉄工) ・技能検定1級(工場板金) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(塗装) ・技能検定1級(工業包装) ・技能検定1級(金属熱処理) |
その他の試験 | - | ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) ※製造分野特定技能2号評価試験を取得する場合のみ(技能検定1級を取得する場合は不要) |
電気電子機器組立て区分の試験情報
電気電子機器組立て区分で特定技能1号・特定技能2号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 | - |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(電気電子機器組立て) | ・製造分野特定技能2号評価試験(電気電子機器組立て) ・技能検定1級(機械加工) ・技能検定1級(仕上げ) ・技能検定1級(機械検査) ・技能検定1級(機械保全) ・技能検定1級(電子機器組立て) ・技能検定1級(電気機器組立て) ・技能検定1級(プリント配線板製造) ・技能検定1級(プラスチック成形) ・技能検定1級(工業包装) |
その他の試験 | - | ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) ※製造分野特定技能2号評価試験を取得する場合のみ(技能検定1級を取得する場合は不要) |
金属表面処理区分の試験情報
金属表面処理区分で特定技能1号・特定技能2号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 | - |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(金属表面処理) | ・製造分野特定技能2号評価試験(金属表面処理) ・技能検定1級(めっき) ・技能検定1級(アルミニウム陽極酸化処理) |
その他の試験 | - | ・ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) ※製造分野特定技能2号評価試験を取得する場合のみ(技能検定1級を取得する場合は不要) |
紙器・段ボール箱製造区分の試験情報
紙器・段ボール箱製造区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(紙器・段ボール箱製造) |
コンクリート製品製造区分の試験情報
コンクリート製品製造区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(コンクリート製品製造) |
RPF製造区分の試験情報
RPF製造区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(RPF製造) |
陶磁器製品製造区分の試験情報
陶磁器製品製造区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(陶磁器製品製造) |
印刷・製本区分の試験情報
印刷・製本区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(印刷・製本) |
紡織製品製造区分の試験情報
紡織製品製造区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(紡織製品製造) |
縫製区分の試験情報
縫製区分で特定技能1号の在留資格を取得するために必要な試験は下の表のとおりです。
項目 | 特定技能1号 |
---|---|
日本語試験 | ・JLPT N4レベル以上またはJFT-Basicで判定基準点以上 |
技能試験 | ・製造分野特定技能1号評価試験(縫製) |
工業製品製造業分野の特定技能外国人になるための試験の難易度
工業製品製造業分野の特定技能の在留資格を取得するための試験の難易度は、日本語試験・技能試験ともに高く、合格率が50%を下回るものが多くなっています。確実に合格するためには、企業側が次のような学習支援を提供する必要があります。
- 試験対策に必要な教材やテキストを提供する
- 定期的に学習スケジュールや学習進捗の確認を行う
- 学習上の悩みや不安を聴き、アドバイスを行う
ここでは、工業製品製造業分野の特定技能外国人になるための、各種試験の難易度について紹介します。
特定技能1号の外国人材になるための技能試験の難易度
製造分野特定技能1号評価試験の合格率は業務区分によって異なりますが、50%を下回るものが多いです。2024年度に新設された業務区分では、まだ受験者がいない試験や、受験者はいるものの合格率が0%となっている試験もあります。
業務区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
機械金属加工区分 | 146 | 56 | 38.4 |
電気電子機器組立て区分 | 97 | 18 | 18.6 |
金属表面処理区分 | 4 | 0 | 0.0 |
紙器・段ボール箱製造区分 | 3 | 0 | 0.0 |
コンクリート製品製造区分 | 20 | 13 | 65.0 |
RPF製造区分 | 8 | 0 | 0.0 |
陶磁器製品製造区分 | 0 | 0 | 0.0 |
印刷・製本区分 | 8 | 3 | 37.5 |
紡織製品製造区分 | 0 | 0 | 0.0 |
縫製区分 | 0 | 0 | 0.0 |
※製造分野特定技能1号評価試験結果 2024 年度 第3ターム(2月)(経済産業省)を参考に作成
特定技能1号の外国人材になるための日本語試験の難易度
特定技能1号の外国人材になるための日本語試験には、JLPT N4とJFT-Basicがあります。JLPT N4の合格率は、およそ30〜40%程度です。
◆JLPT N4の合格率
実施回 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2023年第2回 | 149,334 | 47,243 | 31.6 |
2024年第1回 | 157,053 | 64,207 | 40.9 |
2024年第2回 | 77,853 | 28,244 | 36.3 |
※過去の試験のデータ(日本語能力試験JLPT)を参考に作成
JFT-Basicの判定基準点到達率は、45〜50%程度の範囲内となっています。
◆JFT-Basicの判定基準点到達率
実施年・月 | 受験者数(人) | 判定基準点到達者数(人) | 判定基準点到達率(%) |
---|---|---|---|
2025年6~7月 | 30,169 | 14,381 | 47.7 |
2025年4~5月 | 34,464 | 15,999 | 46.4 |
2025年2~3月 | 32,642 | 16,211 | 49.7 |
※付属教材・資料(国際交流基金日本語国際センター)を参考に作成
特定技能2号の外国人材になるための技能試験の難易度
製造分野特定技能2号評価試験の合格率は業務区分によって異なりますが、2024年度第3タームにおける合格率はどれも50%を下回っています。
◆製造分野特定技能2号評価試験の合格率(業務区分別)
業務区分 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
機械金属加工区分 | 522 | 229 | 43.9 |
電気電子機器組立て区分 | 100 | 40 | 40.0 |
金属表面処理区分 | 6 | 1 | 16.7 |
※2号評価試験試験結果(経済産業省)を参考に作成
工業製品製造業分野で特定技能外国人を採用するなら外国人材採用ラボにお任せください
工業製品製造業分野の特定技能外国人を採用することで、安定的な人材確保を実現することができます。ただし、工業製品製造業分野の特定技能外国人になるためには難易度の高い日本語試験や技能試験に合格する必要があります。加えて、特定技能1号の外国人材を採用する場合は、義務的支援を提供しなければなりません。
はじめて特定技能外国人を受け入れる工業製品製造業分野の企業では「どのように試験対策を進めれば良いのかわからない」「自社だけでは適切な支援を提供できるか不安」といったお悩みも多く寄せられています。
株式会社クレイプラスが運営する「外国人材採用ラボ」では、特定技能外国人の採用から義務的支援の提供まで、一貫したサポートを提供しています。工業製品製造業分野の企業への支援実績も豊富であるため、各種試験の合格や人材の長期的な定着を力強くサポートすることが可能です。
最後に、工業製品製造業分野で特定技能外国人の受入れを検討している企業の経営者や人事・教育担当者の方に向けて、「外国人材採用ラボ」の概要と提供するサービスについて紹介します。
外国人材採用ラボとは
「外国人材採用ラボ」とは、株式会社クレイプラスが運営する外国人材紹介サービスです。「外国人材採用ラボ」では製造・食料品製造・介護など、さまざまな業種・業態の企業・団体に対して、特定技能外国人を中心とした外国人材を紹介しています。2025年8月時点では、200以上の法人と契約、年間100名以上の外国人材の紹介実績があります。
外国人材の紹介サービス
「外国人材採用ラボ」では、特定技能制度の要件をクリアした、即戦力となる優秀な人材を紹介しています。採用が成功するまで費用が発生しない「完全成功報酬型」のため、無駄なコストを抑え、効率的な採用活動を実現できます。
即戦力となる「質の高い人材」を紹介できる
外国人材採用ラボの強みは、現場の即戦力となる「質の高い人材」との出会いを実現できる点にあります。国内外の幅広いネットワークを駆使し、業務に必要な日本語能力を備えた人材を厳選しています。
特に人手不足が深刻な介護分野においては、母国で介護経験を持つ方や、日本での長期就労を強く希望する、仕事への熱意が高い人材が中心です。彼らは明確な目的意識を持っており、スキルアップにも意欲的です。
さらに、提携する海外の教育機関によっては、来日前に日本の介護現場で頻繁に使われる専門用語や、利用者とのコミュニケーション方法について、独自の研修を実施しているケースもあります。そのため、入職後の研修負担を軽減し、すぐに介護業務へ適応できます。
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2017年のサービス開始以来、一貫して医療・介護現場の人材に関するお悩みに寄り添い、解決策を提案してまいりました。その結果、現在では200を超える施設様との契約実績があり、国籍を問わず年間100名の人材を紹介するまでに成長しています。
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「外国人材採用ラボ」を運営する株式会社クレイプラスは、外国人材紹介事業者でありながら、登録支援機関として認可されています。
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はじめて特定技能外国人を採用する工業製品製造業分野の企業の方でも安心してご利用いただけます。ここでは「外国人材採用ラボ」の登録支援機関としての3つの特徴を紹介します。
- 在留資格の申請・入管手続きに対応している
- 外国人に特化した家賃保証会社と提携している
- 信頼できる現地パートナーを厳選している
在留資格の申請・入管手続きに対応している
「外国人材採用ラボ」では、特定技能を専門的に取り扱っており、特定技能外国人の在留関連の申請について日本トップクラスの対応実績を誇る行政書士法人と連携しています。
特定技能に特化した行政書士法人と連携することで、受入れ機関や特定技能外国人としての要件確認から在留申請の取次まで一貫して対応することができます。これにより「書類不備で数ヶ月も入国が後ろ倒しになった」「在留申請が不許可になってしまった」といった事態を防ぎ、スムーズな入国を実現することができます。
外国人に特化した家賃保証会社と提携している
「外国人材採用ラボ」は、14,000社以上のネットワークを持つ外国人特化の家賃保証会社と提携しています。
特定技能1号の外国人材を採用する場合、義務的支援の一環として企業側が住宅の確保を支援しなければなりません。一方、外国人材を受け入れてくれる大家・管理会社は少なく、住居探しや契約締結に工数がかかってしまうことが多いです。
「外国人材採用ラボ」では、外国人特化の家賃保証会社と提携することで、全国どこでも入居可能な物件をスピーディーに確保することができます。大家・管理会社への対応も全て対応するため、人事・教育担当者の方にかかる負担を大幅に削減することができます。
信頼できる現地パートナーを厳選している
「外国人材採用ラボ」では、信頼できる現地パートナーのみを厳選しています。具体的には、日本語学校を併設する教育機関や専門の職業訓練施設を有する機関など、採用後に早期に活躍するための日本語能力や技能の育成体制がある現地パートナーと提携しています。
これにより、採用決定後から入国までの数ヶ月間も、現地にて日本語学習を継続することができます。入国直前や入国後も「外国人材採用ラボ」を介して途切れることなく教育を続けることができるため、効率的に外国人材の日本語能力を高めることが可能です。
まとめ
工業製品製造業分野で特定技能外国人を採用することで、企業は長期的な人材確保を実現することが可能です。ただし、外国人材が特定技能の在留資格を取得するためには、難易度の高い日本語試験・技能試験に合格する必要があります。また、特定技能1号の外国人材を雇用する場合は義務的支援も提供しなければなりません。
特定技能外国人に対する学習支援や義務的支援の提供には、専門的な知見やノウハウ、人的リソースが必要です。そのため、特定技能外国人の採用を検討している企業の中には「自社だけで十分な支援を提供できるだろうか」「必要な試験に無事合格させることができるだろうか」と不安をお持ちの方も多いです。
「外国人材採用ラボ」では、特定技能外国人を専門とした人材紹介事業を行っており、工業製品製造業分野に対する豊富な紹介実績を有しています。また、「外国人材採用ラボ」を運営する株式会社クレイプラスは登録支援機関として認可されているため、義務的支援をお任せいただくことが可能です。
はじめての特定技能外国人の採用や特定技能試験の合格に向けた学習支援、義務的支援の提供などに関するお悩みの方は、ぜひお気軽に「外国人材採用ラボ」までお問い合わせください。