公開日: 2025.08.01
【2025】外国人介護士に必要な日本語力は?教育方法と導入のポイントをわかりやすく解説
外国人介護士に必要な日本語力は?教育方法と導入のポイントをわかりやすく解説

日本では少子高齢化の影響で、介護人材の不足が深刻な課題となっています。多くの介護施設ではこの人手不足を補う手段として、外国人介護士の採用が注目されています。しかし、単に外国人を採用するだけでは、現場での即戦力とはなりません。

介護業務は、利用者の生命や生活に関わる重要な仕事です。そのため、業務に必要な専門用語や緊急時の対応、丁寧な敬語表現など、日常会話以上の日本語力が不可欠です。

そこで今回は、外国人介護士に求められる日本語レベルの目安や、実際の介護施設で取り入れられる教育手法、さらに日本語教育を支援する外部サービスなどについて、制度別の違いも踏まえながら解説します。

外国人介護人材の受け入れ制度と日本語要件の違い

外国人が日本の介護現場で働くためには、法的な在留資格が必要です。2025年7月現在、日本で介護分野に従事できる在留資格は複数存在し、それぞれに異なる目的と要件が定められています。採用を検討する施設にとって、各制度の違いを理解しておくことは非常に重要です。

特に注視すべきは、制度ごとに求められる日本語能力の水準です。ここでは、代表的な4つの制度とその特徴、日本語要件について整理します。

4つの主要制度とその特徴

2025年7月現在、外国人が介護職として日本で働くための主な制度には、次の4つがあります。

  • 技能実習制度
  • 特定技能(1号)
  • 在留資格「介護」
  • 在留資格「特定活動」(EPA介護福祉士候補者)

これらは目的や在留期間、日本語能力の条件が異なっており、施設側は制度に応じた採用・教育計画を立てる必要があります。表にまとめると下のようになります。

項目技能実習制度特定技能(1号)在留資格「介護」在留資格「特定活動」(EPA介護福祉士候補者)
目的技能移転・国際貢献即戦力としての人材確保長期的な介護職としての就労国家間協定に基づく国同士の連携強化(人材不足解消のための措置ではない)
在留期間原則3年(最長5年)最長5年(更新制)無期限(更新制)原則4年(その間に国家試験に合格すれば在留期間の制限なし※更新制)
日本語要件日本語能力試験(JLPT)N4程度以上が望ましい日本語試験(JLPTN4程度以上)と介護技能評価試験の合格日本語能力試験(JLPT)N2程度以上入国時日本語能力試験(JLPT)N5あるいはN3程度以上(国により異なる)+来日後に学習

技能実習制度

技能実習制度は、開発途上国の人材に対して日本の技術や技能を移転することを目的とした制度です。就労を主目的とせず、「学ぶこと」が制度の趣旨とされていることが特徴です。介護職においては、実習生が現場で実務を経験しながらスキルを習得していきます。

在留期間は原則3年で、一定の条件を満たせば最長5年まで延長が可能です。入国時には日本語能力試験(JLPT)のN4程度の日本語能力が望ましいとされています。現場では日常会話に加え、簡単な業務用語や表現を理解し、使用できることが求められます。

特定技能(1号)

特定技能制度は、即戦力としての外国人材の受け入れを目的に創設された制度です。介護分野においては、一定の技能と日本語能力を持つ人材が、すぐに現場で活躍することを期待されています。

この制度での在留期間は最長5年で、1年または6か月ごとに更新が必要です。日本語要件としては、JLPT N4相当の日本語能力と、介護技能評価試験の合格が求められます。つまり、入国前からある程度の会話力と介護知識を有していることが前提となります。

在留資格「介護」

在留資格「介護」は、日本国内の介護福祉士養成施設を卒業するなど受験資格を満たし、国家試験に合格した外国人が取得できる在留資格です。他の制度と異なり、専門職として長期的に日本での就労と定着を見込んで設計されています。

この資格には更新制限がないため、実質的に無期限で日本に滞在し介護職に従事することが可能です。施設入学時にはJLPT N2程度の日本語力が必要であり、卒業後には介護福祉士国家試験の合格が求められます。そのため、語学力・専門知識の両面で高い水準が求められます。

在留資格「特定活動」(EPA介護福祉士候補者)

EPAは、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどとの経済連携協定に基づく制度で、介護福祉士候補者を対象にした在留資格です。対象者は来日前から一定の日本語研修を受け、来日後も6か月程度の集中研修を受けたうえで、介護施設での実務を開始します。

在留期間は国家試験に合格するまでは「候補者」としての資格にとどまり、試験に合格すると長期の在留が可能となります。入国時点で、フィリピンやインドネシア出身者はN5レベル、ベトナム出身者はN3レベルが求められます。

日本語能力試験(JLPT)のレベル

外国人の日本語力を測る指標として広く用いられているのが、日本語能力試験(JLPT)です。この試験は、N5からN1までの5段階で構成されており、数字が小さいほど難易度が高くなります。

N5はごく基本的な日本語を理解できるレベルであり、基本的な文章読解や簡単な会話の聞き取りをある程度理解できる水準です。N4になると、身近な話題であれば短文の読解や基本的な会話の聞き取りができるようになります。N3では日常生活で使われる日本語をある程度理解でき、少し難しい文章の読解や会話の聞き取りにも対応可能です。

さらにN2以上になると、ニュースや専門的な会話にも対応できる力が備わり、N1では新聞の社説や抽象的な文章も読解できる高度な日本語力が求められます。

介護の現場では、最低でもN4レベル、できればN3以上の日本語力があることが望ましく、特に資格取得を目指す場合にはN2レベルの到達が必要となります。

レベル概要
N5基本的な日本語をある程度理解することができる
N4基本的な日本語を理解することができる
N3日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる  
N2日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N1幅広い場面で使われる日本語を理解することができる  

外国人が介護の仕事をするために必要な日本語力

外国人が日本の介護現場で活躍するためには、日本語での十分なコミュニケーション能力が不可欠です。ただ単に会話ができるというだけでなく、介護の現場特有の用語や言い回し、状況に応じた適切な表現力が求められます。

日本語力は、現場での理解・実践能力に直結するだけでなく、信頼関係の構築や安全管理にも影響を及ぼします。ここでは、実務における日本語の必要レベルと、専門職として求められる語学力について詳しく解説します。

介護現場で必要とされる日本語レベル

介護の現場においては、職員同士の連携や書類の読み書きなどは当然ながら、利用者との円滑なコミュニケーションなど、あらゆる業務において高度な日本語運用力が求められます。

たとえば、申し送りの内容を正しく読み取って適切に対応したり、マニュアルに記載された注意点を理解して行動に反映させたりする必要があります。また、「報告・連絡・相談」といった基本的なコミュニケーションだけでなく、利用者への丁寧な声かけ、急変時の迅速な情報伝達なども日常的に発生します。このような場面では、単語や文法の知識だけでなく、状況を読み取り、柔軟に言葉を使い分ける力が問われます。

そのため、外国人介護士には、最低でも日本語能力試験(JLPT)N4レベル、できればN3以上の語学力があることが望ましいとされています。N4では簡単な会話や基本的な文章理解は可能と判断されますが、N3に達することで業務上の説明や応答、応急的な判断にも対応しやすくなります。

ただし、日本語能力試験は「読む」「聞く」といったインプット中心のスキルを測るものであり、実際の現場で求められる「話す」「書く」力、あるいはその場に応じた自然なやり取りの能力までは測定されません。

そのため、施設側としては筆記試験のスコアだけで採否を判断するのではなく、面接やロールプレイングを通じて、実践的な言語運用能力を総合的に確認することが極めて重要です。

専門職として認められるための日本語レベル

外国人が単なる補助的な労働力ではなく、介護の専門職として日本の現場で長く活躍していくためには、業務に関する深い理解とともに、それを支える高い日本語能力が不可欠です。その重要なステップとなるのが、「介護福祉士国家試験」への合格です。

介護福祉士国家試験は、日本人と同様の基準で行われ、すべての設問が日本語で出題されます。試験の出題範囲は非常に広く、介護技術や医学的知識、制度理解に至るまで、専門的かつ高度な内容が含まれます。

設問では、「褥瘡(じょくそう)」「拘縮(こうしゅく)」「認知症」「介護保険制度」など、一般の日本語教育では触れにくい専門用語が多く出題され、正確な語彙理解と読解力が問われます。問題文の分量や構成も複雑であるため、単に語彙がわかるだけではなく、長文を読み取る集中力や論理的な処理能力も求められます。

こうした背景から、合格者の多くは、JLPT N2~N1相当の高い日本語能力を身につけています。N2以上であれば、新聞や業界誌の記事を読み取る力が備わり、制度改正や現場のルール変化などにも柔軟に対応できるレベルといえます。これは、現場の即戦力として信頼されるための大きな要素となります。

介護福祉士国家試験に合格すると、「在留資格:介護」への変更が可能になり、在留期間の制限がなくなるという点も大きなメリットです。これは、本人にとってはキャリアアップの明確な道筋となるだけでなく、施設側にとっても、質の高い人材を安定的に雇用し続けるための重要な手段となります。長く働ける外国人職員が増えることで、現場のノウハウ継承やチームの成熟にも好影響が期待できます。※在留資格「特定活動」(EPA介護福祉士候補者)の場合は、介護福祉士資格の取得により在留資格「特定活動」(EPA介護福祉士)への変更。

介護現場で起こりやすい外国人の日本語における課題とリスク

いくら事前に日本語学習をしてきたとしても、実際の介護現場では想定外の表現や予期しない状況に遭遇することが非常に多いです。こうした現場特有のコミュニケーション環境に適応しきれず、日本語の理解不足が思わぬトラブルや重大な事故を招いてしまうケースも少なくありません。ここでは、外国人介護士が介護の現場で直面しやすい日本語に関する課題を具体的に整理し、それに伴って起こり得るリスクについて深掘りします。

  • 指示の誤解・ミスによる事故のリスク
  • 利用者や職員とのコミュニケーション不足
  • 文化や表現の違いからくるトラブル

指示の誤解・ミスによる事故のリスク

介護現場では「○○してください」「○○してはいけません」などの指示が日常的に頻出しますが、これらの指示の意味を誤って理解すると、重大な事故やミスにつながる恐れがあります。

特に日本語の否定表現は非常に紛らわしく、さらに敬語体系(丁寧語・尊敬語・謙譲語)が複雑に絡み合うため、日本人でも混乱を招きやすい部分です。これらの要素は、母語や文化の異なる外国人にとっては一層難解であり、誤解を誘発しやすい要因となっています。

たとえば、「お風呂には入れないでください」という否定命令を「入れてもよい」と誤解してしまった場合、利用者の身体的安全に関わる深刻な介護ミスに発展する危険があります。また、緊急時には迅速かつ正確な指示の理解が求められるため、指示内容の不明瞭さや理解不足が対応の遅れを生み、利用者の安全を脅かす事態に陥る可能性も否定できません。

このように、言葉の一つひとつが介護の質や安全に直結する現場では、日本語の細かなニュアンスの違いを正確に把握する力が不可欠であるといえます。

利用者や職員とのコミュニケーション不足

高齢者との日常会話は標準語だけでなく、地域の方言や独特の話し方、曖昧な表現が多く使われるため、外国人にとっては理解が非常に難しい場合があります。利用者の微妙な言葉のニュアンスや表情の変化を読み取れなければ、安心感や信頼関係の構築が阻害され、不安を抱かせる結果になることもあります。

さらに、職員同士のコミュニケーションにおいても、日本語力の不足から認識のずれや情報伝達の漏れが生じやすく、チームケアの連携が乱れるリスクが高まります。こうした言語的な壁は、外国人職員が孤立しやすくなる原因ともなり、結果として職場環境に馴染めず早期離職を招くケースも多く見られます。

職場内での円滑な意思疎通が図れないことは、利用者へのサービスの質にも悪影響を及ぼすため、コミュニケーション能力の強化は重要な課題です。

文化や表現の違いからくるトラブル

日本語には「はっきりと言わないことが美徳」という文化的特徴があり、依頼や指示も遠回しに表現されることが多くあります。たとえば「できればお願いしたいんだけど」という言い回しは、単なる提案なのか、ほぼ命令に近い強い依頼なのか判断がつきにくい場合があります。

また、「遠慮」と「拒否」の区別がつきにくいなど、文化的な背景の違いによって誤解が生じることも少なくありません。さらに、沈黙の意味やジェスチャーの使い方、間の取り方なども国や文化によって大きく異なるため、こうした微細なコミュニケーションの違いが積み重なり、職場での摩擦やトラブルへとつながるリスクが存在しています。

こうした文化的ギャップを埋めることは、外国人職員が職場に適応し、安心して働くための重要なポイントとなります。

外国人介護士への日本語教育の必要性と効果

こうした課題に対処し、外国人介護士が現場で能力を発揮できるようにするには、日本語教育が非常に重要な役割を果たします。語学力の向上は、単なる会話力にとどまらず、仕事の質、安全性、チームワークにまで影響を与えるため、教育体制の整備は受け入れ施設にとって大きな投資価値があるといえます。

ここでは、外国人介護士に対する日本語教育の意義や、現場に与える具体的な効果について詳しく解説します。

日本語教育が介護現場に与える具体的なメリット

外国人介護士が適切な日本語教育を受けることにより、現場での業務指示や注意喚起といった重要な情報を正確に理解・実行できるようになり、業務の精度や安全性が大幅に向上します。これにより、誤解や意思のすれ違いから生じるヒヤリハットや重大事故のリスクが大きく軽減され、現場全体の安心感が増します。

また、利用者との日常的な会話やコミュニケーションを通じて、安心感や親しみを持ってもらえるようになり、信頼関係の構築がスムーズに進みます。その結果、介護サービス全体の満足度や質の向上につながり、利用者やその家族からの評価も高まりやすくなります。

さらに、施設内における日本人スタッフとの連携も取りやすくなり、情報共有や申し送りがスムーズに行えるようになります。

こうした変化はチーム全体の協力体制を強化し、職場環境の改善にも寄与します。日本語力の底上げは、単に個人の能力向上にとどまらず、施設全体の業務効率と人間関係の質を押し上げる大きな効果をもたらします。

介護の現場に特化した日本語教育の重要性

介護の現場では、一般的な日常会話だけでは対応できない、医療・介護に特化した専門的な語彙や業務表現が数多く使われています。たとえば、「体位変換」「誤嚥」「拘縮予防」などの言葉は、現場での判断や行動に直結する重要なキーワードであり、正確な理解と運用が求められます。こうした表現は、一般的な日本語教育では網羅されにくく、介護業務に即した実践的なカリキュラムで段階的に学ばせる必要があります。

また、利用者との円滑なやり取りには、単なる語彙の知識にとどまらず、状況に応じた声かけや心理的な配慮を含む表現力が不可欠です。さらに、転倒や急変といった緊急時における迅速で正確な報告・連絡・相談(報連相)も重要なスキルのひとつです。これらを習得するには、座学だけでなく、ロールプレイや現場を模したシミュレーションによる反復的な学習が効果的です。

このように、介護業務に即した日本語教育は、単なる語学の習得にとどまらず、現場で即戦力として活躍できる人材を育成するうえで非常に重要な役割を果たします。現場のニーズに合った言語教育を導入することで、外国人スタッフの早期戦力化と職場の安定運営がより現実的になります。

継続的な日本語教育体制がもたらす効果

日本語力は、一度学んで終わりではなく、業務や生活の中で継続的に磨いていくことが求められるスキルです。そのため、現場で働きながらも段階的に学び続けられる日本語教育の体制が整っていることは、外国人介護士にとって非常に心強い支えとなります。

安心して学べる環境があることで、自らの成長に対する意欲が高まり、「この職場で長く働き続けたい」という将来への希望や定着意識にもつながっていきます。こうした取り組みは、結果的に離職率の低下や人材の安定確保にも直結します。

さらに、継続的な教育制度は、外国人職員だけでなく日本人職員側にも良い影響を与えます。指導を通じて「教える力」や「伝え方の工夫」が自然と養われると同時に、異なる文化や価値観に対する理解が深まるきっかけにもなります。

組織全体で多文化共生を意識した風土が育つことで、国籍を問わず働きやすい職場環境が整い、円滑なコミュニケーションや協力体制が築かれやすくなります。

介護現場で使える外国人への日本語教育の方法

介護現場で働く外国人スタッフが必要な日本語力を身につけ、実務に活かせるようにするには、効果的な教育方法を取り入れることが不可欠です。現場の状況に合わせた実践的な指導や、最新の学習ツールの活用など、多様なアプローチを組み合わせることで、日本語能力の向上を図れます。ここでは、介護現場で活用できる具体的な日本語教育の方法について解説します。

  • OJT形式での実践的な指導法
  • eラーニングやオンライン研修の活用

OJT形式での実践的な指導法

OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)は、介護現場において業務の流れそのものを学習の一環とする教育スタイルであり、特に外国人介護士の日本語習得において高い効果が期待できる方法です。職場という実践の場で直接指導を受けながら言語を身につけることで、机上の学習とは異なり、よりリアルな状況下で日本語を理解・運用できるようになります。

この形式では、指導者が日常の業務の中で積極的に声かけを行い、現場で使用される日本語表現や指示内容を何度も繰り返して伝えることが極めて重要です。ただ言葉を教えるだけでなく、実際の行動や業務内容と密接に結びついた指導によって、言語の意味を状況と関連づけて理解できるようになり、結果として記憶の定着率も向上します。

たとえば、「体を起こしてください」「ゆっくり座ってください」など、現場で頻繁に使うフレーズを、利用者対応とセットで繰り返し指導することで、自然と反応できるレベルまで引き上げることが可能です。こうした実務に即した言語教育は、即戦力として活躍するために欠かせないスキルを形成します。

また、先輩職員が手本となる会話や対応方法を実演する「ロールプレイング」形式のトレーニングを導入することで、実践的な会話力や表現力を養うことも可能です。たとえば、利用者とのやり取りを想定した会話練習や、緊急時の対応を再現した場面などを通じて、実際の現場で求められる言葉遣いと判断力を育てられます。

このように、OJTでは言語指導を業務と密接に結びつけ、多角的な学習手法を取り入れることで、外国人介護士がより早く、より確実に現場対応力を身につけることができます。指導者側の継続的なサポートと、意図的な教育設計が重要な鍵を握るといえるでしょう。

eラーニングやオンライン研修の活用

近年、eラーニングやオンライン研修は、時間や場所の制約を受けずに学習を進められる柔軟な教育手段として、多くの介護現場で注目されています。

特に、外国人介護士にとっては、慣れない日本語や専門用語を自分のペースで繰り返し学習できるという点で、非常に大きなメリットがあります。通勤時間やシフトの合間にも取り組めるため、学習の継続性を確保しやすく、忙しい現場でも導入しやすいのが特長です。

とりわけ映像教材や会話シミュレーションのような、視覚や聴覚に訴えるコンテンツを活用することで、文法や単語の意味だけでなく、正しい発音やイントネーション、表現のニュアンスなども感覚的に習得しやすくなります。動画では表情や動作、話し方のリズムなども同時に学べるため、実際の介護場面に近い形での理解が促進されます。

また、教材の内容を介護現場でよくある具体的なケースに沿ったものにすることで、学んだ知識をすぐに実務へ応用しやすくなり、現場対応力の向上にも直結します。たとえば、「バイタル測定の声かけ」「入浴介助中の注意点」など、日々の業務に密着した内容であれば、より実践的な日本語運用能力が育まれます。

さらに、オンラインならではの機能であるインタラクティブなクイズやテスト、自己評価ツールなどを組み合わせることで、学習の定着状況を可視化でき、学習者自身の達成感やモチベーション維持にも効果を発揮します。こうした仕組みによって、受け身ではない主体的な学習態度が自然と促される点も大きな利点です。

ただし、どんなに優れた教材であっても、学習者一人ひとりの理解度や進捗状況に合わせた適切なフォローアップを行わなければ、本来の効果を十分に発揮することはできません。定期的な理解度チェックや、日本語指導者・管理者との面談などを通じたサポート体制の構築が、オンライン学習を成功に導くためには欠かせない要素です。

日本語レベルの高い外国人材を採用するという選択肢

外国人介護士の採用においては、日本語力の高さを重視することも重要な選択肢の一つです。採用段階で適切な日本語能力を持つ人材を見極めることで、教育負担の軽減や現場での円滑なコミュニケーションが期待でき、施設全体のサービス品質向上にもつながります。

ここでは、日本語力が高い人材を採用する際に注目すべきポイントと採用支援の活用法について説明します。

採用時に確認すべき日本語能力の基準

外国人介護士を採用する際には、履歴書に記載されている日本語能力試験(JLPT)の取得級だけを判断材料とするのではなく、実際の会話力や語彙の理解力、そして介護現場で必要とされる表現に対する反応力を、面接や実技を通して丁寧に見極めることが非常に重要です。

JLPTの級は読解と聴解試験中心であり、現場で必要な「話す・書く」スキルが正確に反映されているとは限らないため、補完的な評価が不可欠となります。

加えて、医療・介護の現場で日常的に使用される専門用語や言い回しがどの程度通じるかを確認することも大切です。たとえば、「バイタルチェック」「食事介助」「排泄ケア」など、現場特有の語彙を使った質問やシチュエーションを提示し、どのように理解し対応できるかを評価する方法が有効です。こうした確認を怠った場合、実際の勤務時に意思疎通がうまくいかず、業務に支障をきたすリスクがあります。

さらに、候補者が過去に介護施設などでどのような実務経験を積んできたかも、重要な見極めポイントです。実際の現場経験がある場合、日本語の運用力だけでなく、業務の流れや利用者対応の感覚も身についている可能性が高くなります。また、介護福祉士国家試験の受験経験や合格実績も、日本語理解力および介護知識の指標として活用できます。

これらの情報を総合的に判断し、ペーパーテストだけでは測れない実践力や現場適応力をしっかりと評価することで、採用後のミスマッチを防ぎ、即戦力として活躍できる人材を見極めやすくなります。信頼できる人材を選ぶには、定量・定性の両面からの判断が欠かせません。

日本語力と介護スキルを両立した人材の見極め方

介護士として求められる資質は、単に日本語が話せるというだけではなく、適切な介護技術や接遇マナー、そしてチームで円滑に協働できる協調性など、多面的なスキルの総合力にあります。そのため、採用の段階では、日本語でのコミュニケーション能力だけにとどまらず、実際の介護スキルや人柄、職場への適応力などをバランスよく評価することが重要です。

特に、介護関連の国家資格や技能実習修了などの試験資格を保有している人材や、介護系の専門学校を卒業している候補者は、一定の専門教育を受けており、実務に必要な日本語を体系的に学んできた可能性が高いといえます。こうした人材は、現場での教育コストを抑えながらも、比較的早期に戦力化できる点で非常に魅力的です。

また、書類や面接だけでは測りきれないスキルや適性を把握するには、採用プロセスに実技試験やシミュレーション形式の応対チェックを取り入れることが有効です。加えて、候補者に実際の職場環境を見学・体験してもらうことで、業務内容や職場の雰囲気に対する適応力を事前に確認でき、入職後のミスマッチ防止にもつながります。

このように、複数の観点から人材を総合的に評価することによって、日本語力と介護スキルをどちらも高い水準で備えた人材を見極めることができます。結果として、現場でのトラブルやコミュニケーション不足を未然に防ぎ、業務全体の効率化とサービス品質の向上に大きく貢献することが期待されます。

採用支援機関や人材紹介サービスの活用法

近年、多くの介護施設では、外国人介護士の採用活動において専門の採用支援機関や人材紹介サービスの力を積極的に取り入れるケースが増えています。

これらの専門機関は、候補者の日本語能力だけでなく、介護技術・接遇力・協調性といった現場で重要とされるスキルや人間性も含めて、総合的に評価・選定した人材を紹介してくれることが大きな特徴です。単なる語学力だけでは測れない「現場で活躍できるかどうか」という観点からのマッチングが期待できます。

加えて、各候補者については、日本語能力試験(JLPT)の合格状況や、介護福祉士資格の取得有無、介護系教育機関の卒業歴など、信頼性の高い情報を事前に把握したうえで提案してくれるため、採用側の不安やリスクも大幅に軽減されます。サービスによっては、実技試験や職場見学の日程調整、採用後のフォローアップ体制までトータルで支援してくれるところもあり、初めて外国人材を導入する施設にとっても心強いパートナーとなります。

このような外部サービスをうまく活用することで、採用プロセスの効率化が進むだけでなく、定着率やパフォーマンスの高い人材確保にもつながります。

外国人労働者の採用なら「外国人材採用ラボ」をご活用ください

介護業界で外国人材を採用・定着させるには、単に人を紹介してもらうだけでは不十分です。在留資格や労働条件の整備、日本語サポート、トラブル防止の仕組みまで含めた「包括的な支援」が必要になります。

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最後に、「外国人材採用ラボ」の概要と、提供するサービスを紹介します。

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企業の皆様が求めるスキル、経験、日本語レベルなどを丁寧にお伺いし、最適な特定技能外国人材をご提案します。

まとめ

介護現場で外国人スタッフが長く安心して働き続けるには、何よりもまず日本語力の向上が欠かせません。十分な言語能力は、業務の正確な遂行や事故防止につながるだけでなく、利用者や同僚との円滑なコミュニケーションを支え、信頼関係の構築にも大きく貢献します。

採用時には、履歴書に記載された資格や試験の合否だけに頼らず、実際の日本語運用力をしっかりと見極めることが必要です。そして、入職後も継続的な日本語教育を通じて、言語スキルの定着を支援する体制を整えることが、離職防止や職場への早期定着につながります。

このように、「採用」と「育成」の両面で日本語力を軸とした支援策を講じることで、外国人スタッフの戦力化と、職場環境そのものの改善を同時に実現することが可能となります。

一方で、教育体制をゼロから自社で構築するのは、人的・時間的コストの面から見ても決して小さな負担ではありません。特に介護業界のように日々の業務が多忙な現場では、十分な時間と人手を割くことが難しいケースも少なくないでしょう。

そうした現実を踏まえると、最初から一定レベル以上の日本語力を有する人材を確保するという方針も、非常に現実的かつ効果的な選択肢となります。

外国人介護士の人材確保や日本語教育に関してお悩みのことがあれば、ぜひ一度、私たちクレイプラスにご相談ください。採用から定着支援までを一貫してサポートし、貴施設の人材課題を総合的に解決します。

少しでもご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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