公開日: 2025.07.26
【2025】外国人の介護福祉士試験合格率|企業がとるべき試験対策方法をわかりやすく解説
外国人の介護福祉士試験合格率|企業がとるべき試験対策方法をわかりやすく解説

介護現場で活躍する外国人材が増える一方で、「介護福祉士国家試験」の合格率の低さが多くの施設で課題となっています。スタッフの長期的なキャリア形成と人材定着のためには、企業による合格支援が欠かせません。

今回は、最新データに基づき外国人介護福祉士の合格率の現状を分析し、合格率が低い理由を詳しく解説します。自社の外国人材の合格率が伸び悩んでいるご担当者様や、効果的な支援方法を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。

外国人介護福祉士試験の概要

外国人材の介護福祉士国家試験合格をサポートするには、企業側が試験の全体像を正確に把握しておくことが大切です。まずは、外国人材の受験を支援する上で、押さえておくべき「受験ルート」「試験日程」「出題範囲」などの基本情報を解説します。

参照元:

主な受験ルートと受験資格

介護福祉士国家試験は受験資格を満たした上で、4つに分類されたルートに準じて受験します。専門職としての知識と技術を担保するため、個々の学歴や実務経験に応じたルートが用意されています。主なルートは次のとおりです。

介護福祉士の資格取得ルート

画像引用元:介護福祉士の資格取得ルート(法務省)

また、各ルートの受験資格も併せてご確認ください。

ルート受験資格
実務経験ルート・介護等の業務で3年以上の実務経験
※従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上
・介護福祉士実務者研修の修了
養成施設ルート・文部科学大臣または都道府県知事が指定した介護福祉士養成施設(専門学校・短大・大学など)を2年以上修了・卒業
・実務経験や就労経験は要らない
EPA介護福祉 候補者ルート・日本政府と提携する国のEPA候補者として来日している
・日本の介護施設等で3年以上の実務経験がある
※従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上
・あるいは、以下のいずれかを修了または履修している(介護技術講習・介護課程・介護課程Ⅲ・実務者研修)

なお、「福祉系高校ルート」もありますが、日本の高校教育を受けることが前提となるため、海外から来日した外国人材が受験することは現実的ではありません。

試験の実施方法と試験日程

介護福祉士国家試験は、毎年1回、1月下旬に筆記試験形式で実施されます。試験のスケジュールと受験方式は、次のとおりです。

受験申込期間例年8月上旬~9月上旬
筆記試験日例年1月下旬の日曜日
合格発表例年3月下旬
試験方式全問マークシート形式
受験手数料18,380円

なお、日本語での受験に不安を感じる外国人材に対しては、ふりがなが付いた問題用紙の配布や試験時間の延長などの対応が可能です。ただし、受験者本人による事前の申請が必要なため、あらかじめ確認しておきましょう。

試験科目と出題範囲

介護福祉士試験の筆記試験は、介護の専門家として必要な知識が幅広く問われる構成になっています。全125問のマークシート方式で、合格には次の2つの条件を両方クリアする必要があります。

  • 合格基準①:総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正された点数以上を得点すること
  • 合格基準②:①の条件を満たした上で、後述する11の試験科目群すべてにおいて1点以上得点すること

出題範囲はA・B・Cの3領域に分かれています。

パート試験科目群
パートA①人間の尊厳と自立、介護の基本
②社会の理解
③人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
④生活支援技術
パートB⑤こころとからだのしくみ
⑥発達と老化の理解
⑦認知症の理解
⑧障害の理解
⑨医療的ケア
パートC⑩介護過程
⑪総合問題

たとえ合計点が高くても、1科目でも0点であれば不合格となる仕組みです。そのため、全科目をバランス良く学習し、苦手分野を作らないことが合格につながるでしょう。

また、2026年1月に実施される第38回試験からは、一度で合格できなくてもパートごとに合格を積み重ねられる「パート合格制度」が開始されます。これにより、働きながらでも複数年かけて計画的に合格を目指すことが可能です。

外国人の介護福祉士試験の合格率の現状

日本人を含む全体の合格率と外国人受験者の合格率の間には大きな隔たりがあります。ここでは、公表データをもとに、合格率の厳しい現実について解説します。

参照元:

全体の合格率と外国人合格率の比較

介護福祉士国家試験のデータを見ると、日本人を含む試験全体の合格率は約80%前後と高い水準を保っています。

介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移

画像引用元:介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移(厚生労働省)

しかし、養成施設ルート以外の外国人受験者のみの合格率は、30%で推移しているのが現状です。

第37回介護福祉士国家試験結果

項目受験数(人)合格者数(人)合格率(%)
実務経験ルート
(特定技能1号)
4,9321,64333.3
実務経験ルート
(技能実習)
1555032.3
養成施設ルート6,9554,63866.7
EPA介護福祉
候補者ルート
1,31449837.9

こちらの結果から、外国人材の試験に合格するには、日本人とは異なるアプローチが必要になるでしょう。

在留資格別の合格率の推移

外国人全体の合格率が低いことは前述のとおりですが、在留資格によってもその傾向は異なります。来日までの経緯や受けてきた研修内容が、試験結果に影響を与えていると考えられます。

在留資格別の合格率の推移

項目第33回第34回第35回第36回第37回
実務経験ルート
(特定技能1号)
38.533.3
実務経験ルート
(技能実習)
47.032.3
養成施設ルート72.965.375.671.566.7
EPA介護福祉 候補者ルート46.236.965.443.837.9

いずれの在留資格も年によって合格率に変動はあるものの、専門学校等で体系的に学習する「養成施設ルート」を除き、合格率が50%を下回る年が多いことがわかります。

このデータから、日本語能力だけの問題ではなく、在留資格の背景にある学習環境やサポート体制の違いが合格率に大きく影響している可能性が考えられます。

外国人の介護福祉士試験の合格率が低い理由

合格率が低い理由は、本人の努力不足だけでは片付けられない現実があります。出題範囲の広さや日本語の壁、学習時間や企業側のサポート不足など、複数の要因が絡んでいます。

ここでは、合格率が低迷する4つの理由を深掘りし、企業が取り組むべき課題について解説します。

  • 幅広い専門知識の習得が必要になるから
  • 日本語特有の表現や専門用語への対応が難しいから
  • 学習する時間を確保できないから
  • 会社のサポート体制が不十分だから

幅広い専門知識の習得が必要になるから

外国人材の合格率が低い理由の一つに、出題範囲の広さがあります。試験では、介護の専門知識だけでなく、社会制度や医学的知識など、次のような幅広い分野が問われます。

  • 介護分野:介護の基本、生活支援技術、介護過程
  • 人間理解:人間の尊厳と自立、コミュニケーション技術
  • 社会・医療:社会の理解、こころとからだのしくみ、医療的ケア

日本人受験者でさえ難しいとされている内容を、外国人材は母国語ではない日本語で理解・記憶しなければなりません。特に、異国の地で生活しながら、日々知識をインプットする必要があるため、合格のハードルは高いと言えます。

日本語特有の表現や専門用語への対応が難しいから

外国人材の合格を阻む要因として、試験で使われる日本語の難しさがあります。日常会話が問題なくても、次のような介護特有の言葉を覚えるのは容易ではありません。

  • 専門用語が頻出する:嚥下(えんげ)や褥瘡(じょくそう)など、普段使わない医療・介護特有の単語が出題される。
  • 複雑な文章表現が多い:回りくどい言い回しや、一回読んだだけでは意図がわかりづらい長文問題が多い。
  • 微妙なニュアンスが多い:言葉の細かい意味の違いを正確に理解する必要がある。

日本語能力試験(JLPT)でN2レベルの能力があっても、問題文の意図を正確に読み取れず、間違ってしまうケースがあります。知識を問われる以前に、言語の壁でつまずいてしまうことが、合格率が低い理由の一つです。

学習する時間を確保できないから

介護現場で働きながら合格を目指す実務経験ルートの外国人材にとって、学習時間の確保は深刻な課題です。学習する時間を確保できない主な理由には、次のものが挙げられます。

  • 不規則な勤務形態:シフト勤務や夜勤により、生活リズムが乱れ、計画的な学習が難しい。
  • 業務による疲労:日々の介護業務で心身ともに疲弊し、退勤後に勉強する気力や体力が残らない。
  • 慣れない環境での生活:日本での生活に慣れるまでに時間がかかり、学習まで手が回らない。

このように、勉強したくても体力や気持ちの余裕がなく、十分な準備ができないまま試験本番を迎えてしまうケースが多いです。

会社のサポート体制が不十分だから

本人の学習意欲が高くても、勤務先である施設側のサポート体制が整っていなければ、合格は難しいです。多くの施設では、次のような支援が不足しているのが現状です。

  • 経済的支援:受験料や教材費、外部講座への参加費用の補助など
  • 時間的支援:勉強時間を確保するためのシフト調整など
  • 学習環境の提供:疑問点を気軽に質問できる環境や、施設内での勉強会の開催など

人手不足などを理由に、組織的なサポートを受けられず、結果的に独学にならざるを得ないケースも少なくありません。本人任せの状況ではモチベーションの維持も難しく、企業側の支援体制の不備が、合格率の伸び悩む大きな一因となっています。

外国人向けの介護福祉士試験対策

合格率をアップさせるには、外国人材の独学だけでは難しいです。本人任せにせず、企業としてどのような支援ができるのか検討し、実践することが求められます。ここでは、介護福祉士試験の合格に向けた対策について解説します。

  • 効果的な学習計画と時間管理を徹底する
  • 過去問演習と模擬試験を繰り返す
  • 学んだことを介護現場で確認する
  • 外部の試験対策講座やサポートを利用する

効果的な学習計画と時間管理を徹底する

試験に合格するには、効果的な学習計画と時間管理が何よりも重要です。行き当たりばったりの学習では、挫折してしまう可能性があるため、次の点を意識して計画を立てましょう。

  • ゴールから逆算する:試験日から逆算して、月単位・週単位の目標を設定する。
  • スキマ時間を活用する:通勤中や休憩時間に一問一答アプリを使うなど、毎日少しでも学習する習慣をつける。
  • 無理のない計画を立てる:本人の生活リズムに合わせ、休息日も考慮した現実的なスケジュールを組む。

外国人材に任せるだけではなく、企業側がスケジュール作りをサポートして、学習を継続する体制を整えることが合格へとつながります。

過去問演習と模擬試験を繰り返す

過去問や模擬試験を用いたアウトプットを繰り返すことが、得点力につながります。過去問や模擬試験には、次のような多くのメリットがあります。

  • 出題傾向を把握できる:どのような問題が、どの科目から、どのくらいの頻度で出されるかがわかる。
  • 時間配分に慣れる:本番を想定した時間内で解く練習ができるため、ペース配分が身につく。
  • 弱点を可視化できる:苦手な科目や分野が明確になるため、効率的な復習ができる。

特に重要なことは、間違えた問題を放置せず、テキストをで再確認する癖をつけることです。地道な反復練習が、試験本番での得点に直結するでしょう。

学んだことを介護現場で確認する

テキストで学んだ知識を、日々の介護業務の中で確認・実践することも介護福祉士試験対策として有効です。机上の学習だけではイメージしにくい知識も、実際のケアを通じて具体的な経験と結びつくことで、記憶に残りやすくなります。

たとえば、参考書で「ボディメカニクス」を学んだら、翌日の移乗介助で覚えた原理を意識して実践させてみてください。

また、業務中に生まれた疑問を「これは試験の〇〇の分野に関係しますか?」と先輩職員に質問してみるのもおすすめです。現場そのものを生きた教材として活用することで、学習と仕事の相乗効果を望めます。

外部の試験対策講座やサポートを利用する

独学での合格が難しい場合は、外国人材の指導に特化した外部サポートを活用することもおすすめです。外部の専門家による支援には、次のようなメリットがあります。

  • 専門的なノウハウを活用できる:外国人がつまずきやすい日本語表現や介護現場特有の表現を踏まえた、的確な指導を受けられる。
  • 質の高い教材を利用できる:時間や場所を選ばないeラーニングや、オンラインでの個別指導など、効果的な学習ツールを活用できる。
  • 効率的な学習環境を提供してくれる:本人のレベルやペースに合わせたカリキュラムで、無理なく学習を進められる。

こうした試験対策と並行して、日々の生活面のケアも合格には欠かせません。自社での対応に限界を感じる場合は、「外国人材採用ラボ」が提供する義務的支援代行サービスなどを活用することも有効な手段です。

特定技能外国人材の採用でお悩みなら「外国人材採用ラボ」をご活用ください

外国人材の合格支援には、採用から定着まで一貫したサポートが重要です。「採用がうまくいかない」「入社後の支援を負担に感じている」などの課題がある場合、「外国人材採用ラボ」がサポートします。最後に、外国人採用ラボの特徴と、提供するサービスを紹介します。

外国人材採用ラボとは

「外国人材採用ラボ」は、人材を紹介するだけでは終わらず、企業の持続的な成長までを見据えたサポートを行います。長年にわたり中小企業の人手不足に向き合ってきた経験とノウハウを活かし、質の高いサービスを提供しています。

外国人材採用ラボの強みは、次のとおりです。

外国人材採用ラボの強み内容
豊富な経験と実績地方や中小企業の課題を熟知し、事業の成長に貢献できる人材を見極めている
独自のマーケティング力国内外から幅広く情報を収集し、企業の専門的なニーズにも応える人材を探し出す
丁寧な面談複数回の面談を通じて候補者の内面まで理解し、企業とのミスマッチを徹底的に防ぐ

このような徹底したマッチングへのこだわりが、入社後の高い定着率と、企業と人材双方の満足度向上につながっています。

義務的支援代行サービス

特定技能外国人を雇用した企業には、法律で定められた10項目の「義務的支援」を行う責任があります。外国人材採用ラボでは、専門知識が必要な支援業務をすべて代行する「一括支援」サービスを提供し、企業の負担を大幅に軽減します。主な支援内容は、次のとおりです。

  • 生活基盤をサポートする:住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約などを支援する。
  • 各種手続きに同行する:役所での手続きや、その他必要な公的手続きに同行する。
  • 定期的にコミュニケーションをとる:定期的な面談を実施し、仕事や生活の悩みを丁寧にヒアリングする。

複雑で時間のかかる支援業務を専門家に任せることで、企業の担当者は本来のコア業務に集中できます。その結果、法令を遵守しながら、安心して外国人材を受け入れる体制を構築できるでしょう。

外国人材の紹介サービス

外国人材採用ラボでは、特定技能制度の要件をクリアした、即戦力となる優秀な人材を紹介しています。候補者を探す手間をかけることなく、自社のニーズに合った質の高い人材と効率的に出会うことが可能です。このサービスには、次のような特徴があります。

  • 確かなスキルと日本語能力を持っている人材を確保している:介護分野の技能評価試験と日本語能力試験に合格済みのため、入社後すぐに現場で活躍できる知識とスキルを持っている。
  • 効率的な採用活動を行っている:候補者の選定から面接設定、採用決定までを一貫してサポートするため、企業の採用活動にかかる時間と労力を大幅に削減できる。

このように、質の高い人材とのスピーディーなマッチングを実現できることが、外国人材採用ラボの「外国人材紹介サービス」の特徴です。

まとめ

外国人介護福祉士の合格率の現状と、合格率が低い理由、企業ができる試験対策について解説しました。

データが示すとおり、外国人材の合格率は日本人と比べて低い水準にあります。この背景には、本人の努力不足だけでなく、試験範囲の広さや、専門用語を含む日本語の壁、働きながら学習時間を確保する難しさなど、複合的な要因が絡み合っています。

合格率を向上させるには、学習を本人任せにせず、企業が学習計画の立案やモチベーション維持、実践的な学びの機会を提供するなど、組織的なサポート体制を整えることが重要です。しかし、日々の業務に追われる中で、きめ細やかな支援を自社だけで行うのは容易ではありません。

外国人材の資格取得支援や、採用そのものに課題を感じているなら、専門的なノウハウを持つ「外国人材採用ラボ」への相談がおすすめです。採用から入社後のサポートまでワンストップで提供し、貴社の貴重な人材が介護福祉士として定着・活躍できるよう、強力にサポートします。

少しでもご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

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