公開日: 2025.08.21
【2026年】外国人のために企業がとるべき「介護福祉士試験対策」とは?試験内容と支援のポイント
外国人のために企業がとるべき「介護福祉士試験対策」とは?試験内容と支援のポイント

介護現場の人手不足が深刻化するなか、「外国人材を採用したいけれど、どうすれば長く働いてもらえる?」「介護福祉士国家試験に合格させたいけれど、企業側で何ができる?」このような、悩む声が増えています。

外国人材が日本で安定的に介護職に就くためには、介護福祉士国家試験に合格し、在留資格「介護」へ移行することが鍵となります。この資格を取得することで、無期限の雇用契約も可能となり、企業にとっても長期的な人材確保につながります。

そこで今回は、外国人が介護福祉士を目指す意義や試験制度の概要、受験までの準備、合格後の採用・定着支援まで、実務に役立つポイントをわかりやすく解説します。

外国人介護福祉士の受入れ状況

近年、介護現場における外国人材の重要性は急速に高まっています。厚生労働省の資料によれば、介護分野の特定技能外国人の受入れ数は年々増加し、2025年6月末時点で、在留資格「特定技能(介護)」により日本に在留している外国人は54,916人にのぼり(前年同月より10,549人増)、その約9割をインドネシア、ベトナム、ミャンマーの出身者が占めています。 

さらに、介護福祉士候補者として試験に挑む外国人材も増加傾向にあります。2025年1月実施の第37回国家試験では、EPA候補者1,314名中498名が合格(約37.9%)し、技能実習ルートでの合格率は約32.3%、特定技能1号では約33.3%、留学生でも約35.1%と、いずれも合格率は30%台に留まった一方、全国平均の合格率は78.3%と高水準となっています。このように、外国人受験者の合格率は全体の水準から大きく下回っており、制度的な支援の強化が求められています。

これらのデータから、外国人介護福祉士候補者の受験機会や実務経験を活用したルートの整備が進む一方で、日本語力・試験制度への適応や面接・学習環境の整備といった分野では、課題が多いこともわかります。今後は、企業や支援機関による包括的なバックアップ体制が、組織的にも現場レベルでも、ますます重要になるといえるでしょう。

参照元:

外国人が介護福祉士の国家試験を受験するためのルート

外国人材が介護福祉士試験を受験するには、複数の制度的ルートがあります。どのルートを選ぶかは、在留資格の種類やこれまでの経歴によって異なります。ここでは、主な3つのルートについて解説します。

  • 養成施設ルート
  • 実務経験ルート
  • EPAルート

養成施設ルート

養成施設ルートは、日本国内の介護福祉士養成施設(専門学校や福祉系大学など)を卒業することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得るルートです。体系的に介護を学びながら資格取得を目指せることが特徴で、卒業後は国家試験合格により在留資格「介護」へ移行できます。

出発点は在留資格「留学」であり、介護福祉士養成施設入学には日本語能力試験(JLPT)N2レベル以上が求められるほか、学費や生活費の確保も大きな課題です。

なお、国家試験に不合格となった場合、介護職での就労継続を希望する場合には、評価試験に合格することを前提に「特定技能1号(介護)」への在留資格変更を検討することもあります。ただし、これは例外的な措置であり、本来は在留資格「介護」への移行が前提です。

実務経験ルート

実務経験ルートは、介護施設などで原則3年以上の実務経験を積み、かつ「実務者研修」を修了したうえで介護福祉士国家試験に挑むルートです。多くの外国人材が「特定技能1号」や「技能実習」の在留資格で働きながら経験を積み、このルートで受験資格を得ています。

このルートは、就労と学習を両立させる点で現場ニーズに合っていますが、日本語能力の向上支援や学習環境の整備が企業に求められることになります。また、受験中・不合格時には、在留資格の期間管理や再受験への備えが重要になります。

EPAルート

EPAルートは、経済連携協定(EPA)に基づいて、日本政府と協定を結んでいる国(インドネシア、フィリピン、ベトナム)から来日する人材を対象としたルートです。来日前後に試験対策や日本語教育、介護研修などがセットで提供されるため、受験環境としては非常に整備されています。

在留資格は「特定活動(EPA介護)」で、最長4年までの滞在が可能です。この期間中に国家試験に合格できなければ帰国となりますが、合格すれば在留資格「介護」へ移行し、長期就労が可能となります。制度に沿ったサポートがある反面、対象国や選抜枠に制限があることには注意が必要です。

介護福祉士試験の概要・難易度・合格率

日本で介護職として長期間働いていくためには、介護福祉士試験に合格しなければなりません。介護福祉士試験は、介護職として長期間働くための最終関門ともいえる資格試験です。そのため、受入れ機関としても試験制度の理解と対策が重要です。ここでは、介護福祉士試験の概要について解説します。

試験概要

介護福祉士国家試験は、毎年1月下旬に筆記試験として実施されます。2024年度(第37回)からは制度が変更され、基本的に実技試験は廃止され、筆記試験のみとなっています。ただし、EPAルート(経済連携協定)の外国人介護福祉士候補者に限り、引き続き実技試験が課されています。

筆記試験は次の科目で構成され、総得点の60%以上を取得することが合格基準です。

  • 人間と社会(人間の尊厳・社会福祉など)
  • 介護(基本的な知識・介護技術)
  • 医療的ケア
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解 など

すべて択一式の筆記試験で、外国人受験者に対しては日本語での理解を助けるためにふりがな(ルビ)の付与や、漢字の読みやすい表記が配慮として導入されており、日本語能力試験(JLPT)N2レベル程度でも対応可能なように設計されています。ただし、専門用語も含まれるため、受験前に介護分野特有の語彙や表現に慣れておくことが重要です。

難易度と合格率

令和6年度(第37回)の介護福祉士国家試験では、全体の受験者数は75,387人、そのうち合格者は58,992人で、合格率は78.3%でした。これは例年と同様、高い水準を維持しており、適切な対策を講じれば十分に合格が狙える試験といえます。

試験はすべて日本語で実施され、出題形式は択一式の筆記試験のみとなっており、出題範囲も介護の専門知識から医療的ケア、社会制度まで多岐にわたります。特に外国人受験者にとっては日本語読解力が試される内容となっており、語学力と専門知識の両立が求められます。

このように、介護福祉士試験は標準的な準備が整っていれば高い合格率が期待できる一方で、外国人受験者が直面する課題は別途整理して理解する必要があります。

外国人の介護福祉士試験の合格率

外国人介護人材の国家試験受験者は年々増加傾向にありますが、その合格率には依然として大きな課題が残されています。令和6年度(第37回)試験では、外国人受験者1,314人のうち合格者は498人にとどまり、合格率は37.9%と、日本人受験者に比べて約40ポイント低い結果となりました。

※特定活動(EPA介護)の受験者の推移のみ公表されているため、公表情報からの記載

この差を生む背景には、次のような複合的な要因があります。

  • 日本語能力の壁:国家試験では日本語能力試験(JLPT)N2以上の語学力が必要とされますが、現場での日常会話と筆記試験で求められる専門用語のギャップが大きく、読解力不足が大きな障害となります。
  •  
  • 働きながらの学習の困難さ:夜勤やシフト勤務に追われる中で、安定した学習時間を確保することは容易ではなく、モチベーションの維持や継続学習にも支障が出がちです。
  • 試験制度への不慣れ:母国と異なる出題形式・試験運営に戸惑うケースも多く、過去問や模試に触れる機会が限られていることも影響します。

企業側がこれらの背景を十分に理解し、日本語研修や試験対策支援、柔軟な勤務スケジュールの提供を行うことで、外国人材の合格率を高めることが可能です。特に実務経験ルートの人材に対しては、早期からの支援体制の整備が、合格とその後の長期的定着に直結します。

介護福祉士試験に外国人材が合格するために必要な対策・支援内容

外国人材が介護福祉士試験に合格するには、企業による包括的な支援が欠かせません。語学面・学習環境・職場での配慮など、企業側のサポートが不可欠といえるでしょう。ここでは支援の方向性を3つの視点から解説します。

  • 日本語力向上のための研修体制を整える
  • 実務経験と学習の両立を支援する
  • メンタル・生活面でのフォローアップを実施する

日本語力向上のための研修体制を整える

日本語能力試験(JLPT)N2レベルに達するには、日常業務以外の学習時間確保や、文法・読解・漢字などの補強が必要です。受入れ機関としては、日本語教室の開催、模試の提供、日本語教材の支給などを実施することが効果的な方法です。

実務経験と学習の両立を支援する

介護現場での勤務と試験勉強を両立するには、業務負荷の調整や、勤務シフトの柔軟な対応が求められます。定期的な面談で進捗確認を行い、学習に集中できる環境を整えることが鍵となります。

メンタル・生活面でのフォローアップを実施する

異国での生活や長期学習によるストレスは、学習継続の大きな障害となります。社内にメンターを配置し、生活相談や困りごとの窓口を設けることで、離職や失踪のリスクも低減できます。

外国人介護人材の支援サポートは「外国人材採用ラボ」をご活用ください

介護福祉士国家試験の合格と、その後の定着支援までを自社で対応するには、大きな労力と専門知識が求められます。そこで、外部の専門支援機関を活用することが有効な選択肢となるでしょう。最後に、当社株式会社クレイプラスが運営する「外国人材採用ラボ」の概要と、提供するサービスを紹介します。

外国人材採用ラボとは

外国人材採用ラボは、株式会社クレイプラスが提供する外国人雇用に特化した採用支援サービスです。企業ごとに異なる課題や目標に合わせて、最適な採用・支援プランを提案し、採用活動の成功と外国人材の長期定着を支援しています。

人材会社として中小企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ

外国人材採用ラボは、長年にわたり企業の深刻な人手不足に真正面から向き合い、数多くの成功事例を築いてきました。特に、医療介護分野に特化して、専門的な人材の紹介業を地域に寄り添い実現してきた歴史を持ちます。単に人材を紹介するだけではなく、企業の組織風土、施設・現場の業務内容を理解したうえで、長く活躍してくれる人材を厳選して紹介します。「今だけの単なる人手」ではなく、「未来を支える仲間」としての採用を支援しています。

支援先には「日本語教育」「試験対策」を完全無償で提供

私たちは登録支援機関として、日本語学習の機会提供に力を注いでいます。

項目内容
義務的支援、
「日本語学習の機会提供」とは?
特定技能1号外国人が、日本での安定した生活と業務遂行を実現するため、受け入れ企業側は、日本語を学ぶ機会を、義務的に提供しなければなりません。
具体的には、地域の日本語教室の情報を教えたり、オンライン教材を紹介したり、外国人の合意のもと日本語講師を契約して講習を行ったりする等の方法があります。なお、これらの情報提供や手続きの補助にかかる費用は企業が負担する義務があります。
よくある課題・外国人材の主体性に任せると、どうしても日本語学習があとまわしになってしまう
・教育を管理するリソースがない
・登録支援機関が「情報の提供」にとどまり、学習の遂行にコミットできていない
クレイプラス
「外国人材採用ラボ」の場合
・特定技能2号評価試験突破を目的とした最短三カ年計画でカリキュラムを作成
1年以内に日本語能力検定3級取得を目指す
・日本語学習用のアプリケーションを用いて、自律学習の環境を整える(アプリの契約料の法人様負担はなし
週次の進捗報告会を開催し、周囲と競わせ、学習の遅れを予防する
・定期面談の際も日本に在留する目的・モチベーションを管理して学習の継続を促す
・その他、適宜オンライン講師による指導を実施
・上記を内定直後(来日前)から開始。面接時の熱意をキープしたまま日本での就業を実現する

通常、受け入れ機関・登録支援機関には、「日本語の学習機会の提供」が義務付けられていますが、例えばカリキュラム管理や勉強会開催等、「教育を実施する義務」はありません。しかし、私たちは、地方中小企業向けの紹介会社として、長く働ける外国人材のご紹介を目指しています。そのためには、特定技能2号評価試験突破や、それ以外の必須項目を満たすための「日本語能力の獲得」が欠かせません。

仕事への取り組み方、寮・アパートでの生活の仕方、周囲の人、同僚の皆さんとのコミュニケーションのとり方。そのすべての土台となるものが、日本語能力です。私たちは登録支援機関として、報酬をいただいて受け入れ機関の皆様の義務的支援を代行する以上、肝心要の日本語教育から逃げないことを決めています。

「受け入れた外国人材に、できるだけ長く勤めてもらいたい。」
「信頼できる登録支援機関に、学習まで巻き取ってもらいたい。」
そのような希望をお持ちの法人様は、ぜひ一度私たちにお問い合わせくださいませ。

一人ひとりと丁寧に面談を実施している

紹介する外国人材には、必ず複数回の個別面談を行い、日本語力や技術スキルだけでなく、性格・価値観・キャリア志向までを深く理解しています。この面談プロセスによって、企業と外国人材の間で生じがちな「ミスマッチ」を大幅に減らすことができ、高い定着率と職場満足度を実現しています。企業からのヒアリング情報も面談に反映されており、受け入れ後のコミュニケーションギャップを防ぎます。

義務的支援代行サービス

特定技能1号「介護」の外国人材が、介護福祉士試験に合格して、在留資格「介護」への変更を果たすまでは、法定の「義務的支援」の実施が求められます。外国人材採用ラボでは、住居手配・生活相談・定期面談・日本語学習支援など、すべての支援項目を企業に代わって実施しています。そのため、制度上の義務を確実に果たすことができます。

外国人材紹介サービス

外国人材採用ラボでは、特定技能「介護」や将来の介護福祉士候補となる外国人材を紹介しています。日本語能力試験(JLPT) N4以上の日本語力を有し、介護業務への高い意欲を持つ人材を厳選して紹介します。面接への通訳同席や入職前のオリエンテーションも実施し、現場へのスムーズな定着を支援します。

まとめ

外国人材を介護福祉士として迎え入れるには、まず介護福祉士国家試験に合格することが前提となります。そのためには、日本語能力や実務経験の要件を満たし、制度ごとのルートに応じた準備と支援が欠かせません。とはいえ、試験対策から在留資格の切替、受け入れ後の定着支援まで、すべてを自社で対応するのは容易ではありません。

「外国人材採用ラボ」では、制度理解から申請・研修・生活支援までを一貫してサポートし、採用の成功と人材の長期定着をお手伝いしています。外国人介護人材の採用をお考えの企業・施設の皆さまは、お気軽に外国人材採用ラボまでお問い合わせください。

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