この記事は、建設分野で特定技能1号外国人を採用している企業様に向けて書かれています。在留資格「特定技能1号」の在留期間が最長5年であることは周知の通りですが、「5年を超えて、日本に在留してもらいたい」という希望をお持ちの方は、多いのではないでしょうか。
長期的な会社への定着を見込むためには、建設分野の「特定技能2号評価試験」の突破が必要です。今回は、2025年11月時点で公開されている試験速報から、その合格率をお伝えします。あわせて、建設分野で特定技能2号外国人になるための要件についても解説します。在留資格「特定技能2号」の取得に、関心をお持ちの企業様は、ぜひ最後までご覧ください。
| 【この記事でわかること】 ・建設分野の特定技能2号評価試験(土木・建築・ライフライン設備)の直近3か月合格率と前年比較がわかります。 ・合格率上昇の背景にある、受験環境の変化(会場拡大・試験範囲公開など)を解説しています。 ・在留資格「特定技能2号」取得に必要な実務経験要件と注意点を確認できます。 |
目次
2025年8月~10月の建設分野特定技能2号評価試験の合格率
まず、建設分野の特定技能2号評価試験は、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に分かれています。この区分がなされているのは、建設現場における業務内容・技能水準・責任範囲が「土木」「建築」「ライフライン・設備」で明確に異なり、それぞれ異なる工程管理・技術・監督能力を求められるためです。
また、本来は、さらに細分化された職種・作業区分(例えば、型枠施工、鉄筋施工、内装仕上げ、配管、電気通信…等、皆様の事業形態により近しい区分)があるはずですが、受け入れ機関・人材の双方にとってわかりやすい運用体制、キャリアアップのプランを実現するために、上記の3区分が適用されています。
では、早速、それらの区分別に、直近3ヶ月の試験合格率を見ていきましょう。
1,「2号土木」の試験結果
以下は2025年8月から10月にかけて、日本で開催された建設分野特定技能2号評価試験「土木」の結果です。受験者数は月400名以上、2025年10月には600名を超えています。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2025年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 609 | 337 | 約55% |
| 2025年9月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 444 | 131 | 約30% |
| 2025年8月 | 日本/東京・大阪・福岡 | 483 | 133 | 約28% |
平均の合格率は約40%でした。10月がもっとも高い合格率で、約55%まで上がっています。
なお、以下は1年前の2024年8月から10月にかけてのデータです。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2024年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 144 | 20 | 約14% |
| 2024年9月 | 日本/東京・大阪・新潟 | 143 | 21 | 約15% |
| 2024年8月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 109 | 26 | 約24% |
2025年8月~10月にかけての受験者数・合格率が、ともに、前年同月より大きく上昇していることがわかります。
参考リンク:一般社団法人建設技能人材機構)
2025年10月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202510jp_result.pdf
2025年9月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202509jp_result.pdf
2025年8月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202508jp_result.pdf
2024年10月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202410jp_result.pdf
2024年9月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202409jp_result.pdf
2024年8月試験結果:https://jac-skill.or.jp/exam/files/202408jp_result.pdf
2,「2号建築」の試験結果
他にも、2025年8月から10月にかけて、日本で開催された建設分野特定技能2号評価試験「建築」の結果を見ていきましょう。受験者数は月700名以上、2025年10月には1,000名を超えています。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2025年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 1,063 | 718 | 約66% |
| 2025年9月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 783 | 291 | 約37% |
| 2025年8月 | 日本/東京・大阪・福岡 | 763 | 242 | 約31% |
平均の合格率は約48%でした。10月がもっとも高い合格率で、66%まで上がっています。
こちらも、1年前の2024年8月から10月にかけてのデータと比較してみます。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2024年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 190 | 60 | 約32% |
| 2024年9月 | 日本/東京・大阪・新潟 | 196 | 35 | 約18% |
| 2024年8月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 125 | 29 | 約23% |
「2号建築」の区分においても、2025年の合格率は大きく上昇しています。特に10月は、2024年と比べて受験者数が約5倍に、合格率も約2倍になっていることがわかりました。
3,「2号ライフライン・設備」
最後に、2025年8月から10月にかけて、日本で開催された建設分野特定技能2号評価試験「ライフライン・設備」の結果です。受験者数は毎月100名以上でした。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2025年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 123 | 70 | 57% |
| 2025年9月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 102 | 36 | 35% |
| 2025年8月 | 日本/東京・大阪・福岡 | 152 | 27 | 18% |
平均の合格率は約35%でした。10月がもっとも高い合格率で、57%まで上がっています。
以下は前年同月との比較です。
| 試験開催年月 | 開催地 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 2024年10月 | 日本/北海道・東京・大阪 | 35 | 7 | 約20% |
| 2024年9月 | 日本/東京・大阪・新潟 | 25 | 3 | 約12% |
| 2024年8月 | 日本/東京・大阪・宮城 | 19 | 4 | 約21% |
「2号土木」「2号建築」と同様、受験者数・合格者数が、ともに大幅に上昇しています。
建設分野における受験対策環境の成熟
このように、2025年10月時点で、2024年8月~10月の受験者数・合格者数・合格率を大きく上回る結果となりました。この結果の背景には、いくつかの要因があると考えられます。まず、前提として、1号特定技能外国人の在留者数そのものが大幅に増加しています。出入国在留管理庁が公表する統計資料によると、建設分野の特定技能1号在留者は、2023年12月末の24,433人に対し、2025年6月末時点では43,599人となっており、1年半の間にも約1.8倍に増加しています。

参考リンク:出入国在留管理庁|特定技能在留外国人の公表等|特定技能1号在留外国人数(第1表、第2表、第3表)
2025年1月以降、試験会場が全国のプロメトリックテストセンターに拡大されたことで受験機会が大幅に増加し、受験者がスケジュールを調整しやすくなりました。また、同一の受験者が一定期間をおいて複数回の受験に挑むことも容易になっています。
また、「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」は公式サイト上で「試験範囲とサンプル問題」を常に公開しており、受験者や受け入れ機関は、事前に試験の形式やレベルを簡単に確認することができます。
これらの「受験機会の柔軟化」と「情報の透明性」が、受験者側・受け入れ機関側の両方の試験対策を促進し、受験者数・合格率の伸びにつながったのではないかと考えられます。
参考リンク:一般社団法人建設技能人材機構|建設分野特定技能の評価試験情報と申込み|試験範囲とサンプル問題
注意:在留資格「特定技能2号」取得には、試験合格に加え「実務経験」も必須
なお、建設分野で在留資格「特定技能2号」を取得するためには、建設分野特定技能2号評価試験に合格することに加えて、 「班長または職長として、国交省の定める期間(0.5~3年)の実務経験が必要」となる点には留意が必要です。試験勉強を進めるだけでなく、中長期的な目標を立てて、外国人材のキャリアを支援していくことが、受け入れ機関にとって重要な施策となるでしょう。
※例えば、型枠施工2年、鉄筋施工3年など、最大で3年の実務経験を求めています。
参考リンク:国土交通省|建設分野の2号特定技能外国人に求める「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験」について)
「班長または職長クラス」の職責を任せられる人材を育成するには、相応の時間と、本人の努力が欠かせません。建設分野の在留資格「特定技能2号」を得るためには、日本語能力試験3級の合格は必須ではありませんが、「班長または職長クラス」の業務を遂行するためには、高度な会話能力や、日本語や文脈を理解できる読解力・管理能力が必要です。
ですが、日々の仕事を覚えながら、同時に日本語の勉強を続けるには、かなりの労力とモチベーションが求められますし、受け入れ機関がその学習管理をするには、それ相応のリソースを割く必要がでてきます。ただでさえ本業が忙しい中、外国人材の教育まで支援するのは、なかなか現実的ではありません。
特定技能外国人材の日本語教育サポートなら「外国人材採用ラボ」をご活用ください
株式会社クレイプラスが運営する「外国人材採用ラボ」は、貴社の人手不足解消と事業成長を強力にサポートします。最後に、特定技能外国人材の日本語教育に不安をお持ちの企業様に向けて、外国人材採用ラボの概要と、提供するサービスを紹介します。
外国人材採用ラボとは
「外国人材採用ラボ」は、株式会社クレイプラスが運営する外国人材紹介サービスです。単なる紹介にとどまらず、採用前後のトラブルを未然に防ぐ丁寧な支援と、高品質な人材マッチングを実現しています。また、登録支援機関として、日本語学習の機会提供に力を注いでいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 義務的支援、 「日本語学習の機会提供」とは? | 特定技能1号外国人が、日本での安定した生活と業務遂行を実現するため、受け入れ企業側は、日本語を学ぶ機会を、義務的に提供しなければなりません。 具体的には、地域の日本語教室の情報を教えたり、オンライン教材を紹介したり、外国人の合意のもと日本語講師を契約して講習を行ったりする等の方法があります。なお、これらの情報提供や手続きの補助にかかる費用は企業が負担する義務があります。 |
| よくある課題 | ・外国人材の主体性に任せると、どうしても日本語学習があとまわしになってしまう ・教育を管理するリソースがない ・登録支援機関が「情報の提供」にとどまり、学習の遂行にコミットできていない |
| クレイプラス 「外国人材採用ラボ」の場合 | ・特定技能2号評価試験突破を目的とした最短三カ年計画でカリキュラムを作成 ・1年以内に日本語能力検定3級取得を目指す ・日本語学習用のアプリケーションを用いて、自律学習の環境を整える(アプリの契約料の法人様負担はなし) ・週次の進捗報告会を開催し、周囲と競わせ、学習の遅れを予防する ・定期面談の際も日本に在留する目的・モチベーションを管理して学習の継続を促す ・その他、適宜オンライン講師による指導を実施 ・上記を内定直後(来日前)から開始。面接時の熱意をキープしたまま日本での就業を実現する |
通常、受け入れ機関・登録支援機関には、「日本語の学習機会の提供」が義務付けられていますが、例えばカリキュラム管理や勉強会開催等、「教育を実施する義務」はありません。しかし、私たちは、地方中小企業向けの紹介会社として、長く働ける外国人材のご紹介を目指しています。そのためには、特定技能2号評価試験突破や、それ以外の必須項目を満たすための「日本語能力の獲得」が欠かせません。
仕事への取り組み方、寮・アパートでの生活の仕方、周囲の人、同僚の皆さんとのコミュニケーションのとり方。そのすべての土台となるものが、日本語能力です。私たちは登録支援機関として、報酬をいただいて受け入れ機関の皆様の義務的支援を代行する以上、肝心要の日本語教育から逃げないことを決めています。
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