
「特定技能1号で採用した外国人材は、5年経ったらどうなるのだろう?」「せっかく外国人材を特定技能で採用しても、長く働いてもらえるのだろうか?」そんな不安や疑問を抱えている企業担当者の方は少なくないでしょう。
特定技能1号には在留期間の上限が「通算5年」と定められており、何も対策をしなければ外国人材本人が希望しても、長く働いてもらうことはできません。しかし、実際は特定技能1号で5年間働いた外国人材には、「帰国」以外にも「特定技能2号への移行」や「別の在留資格への変更」など複数の選択肢があり、企業としても中長期的な人材活用を見据えた対応が可能です。
そこで今回は、5年後に起こりうるシナリオごとの具体的な選択肢や、在留資格の移行要件、企業として知っておくべき支援策や準備事項をわかりやすく解説します。外国人材の継続雇用を見据えた実務対応に不安のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
特定技能1号人材の5年後の選択肢
特定技能1号の外国人材は、原則として通算5年間の在留が上限とされています。では、5年経過後にはどのような進路があるのでしょうか?ここでは、制度上認められている主な4つの選択肢について解説します。
- 特定技能2号へ移行する
- 在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ変更する
- 日本人や永住者の配偶者として在留する
- 母国へ帰国する
特定技能2号へ移行する
特定技能2号は、特定技能1号で一定年数の経験を積み、かつ所定の技能評価試験に合格した外国人材が対象となる「熟練した技能者」向けの在留資格です。2025年8月現在は、建設、造船・舶用工業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業など、11分野に限定されていますが、将来的な拡大も見込まれています。
日本語能力に関しては、業種によって求められる水準が異なり、たとえば外食業では日本語能力試験(JLPT)N3以上が条件となるなど、特定技能1号よりも高い基準が設定される場合があります。
特定技能2号へ移行できれば、在留期間に上限がなくなり、家族(配偶者・子)帯同も認められるため、安定した日本での生活が可能になります。企業にとっても、経験豊富で戦力となる人材を継続して雇用できるという点で、大きなメリットがあります。
特に人手不足分野では、特定技能2号人材の育成と確保が中長期的な経営戦略に直結するといえるでしょう。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ変更する
特定技能2号への移行が難しい場合でも、外国人材が高等教育を修了していたり、語学力や専門知識を活かせる業務に従事していたりする場合には、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(通称:技人国)への変更が検討できます。
技術・人文知識・国際業務は、ホワイトカラー業務(例:営業、事務、通訳、企画、エンジニアなど)に従事する外国人材向けであり、在留期間の更新が可能で、配偶者や子どもの帯同も認められています。ただし、「単純労働」に分類される業務では取得できないため、企業側が職務内容を明確に定義し、就労実態が制度要件に合致していることを示す必要があります。
特定技能1号の経験がある人材でも、学歴や職務の内容次第ではこの在留資格への移行が可能です。企業は早期にキャリアプランを提示し、必要な書類や手続きをサポートすることが大切です。
日本人や永住者の配偶者として在留する
外国人材が日本人または永住者と結婚した場合、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」といった在留資格に変更することが可能です。これらは「身分に基づく在留資格」と呼ばれ、就労や活動内容に制限がなく、在留期間の更新や永住資格の取得においても安定性が高いとされています。
この変更は、制度としての要件を満たす限り、特定技能の在留期限(5年)に関係なく、日本に長く滞在する道を開くものです。ただし、婚姻の実態があることを証明する書類提出など、慎重な審査が行われるため、企業が関与する範囲は限定的となります。
母国へ帰国する
特定技能1号で働いていた外国人材が在留資格の更新や変更を行えない場合、または本人の意思で帰国を希望する場合、企業(特定技能所属機関)は「帰国支援義務」に基づき、適切な対応を行う必要があります。支援内容としては、次のものなどが挙げられます。
- 帰国スケジュールの調整
- 航空券の手配
- 住居の解約手続き
- 転出届の提出
- 労働契約終了処理
- 社会保険喪失届の手続き
- 在留カードの返納
さらに、本人が帰国費用を負担できない場合、企業側が費用を全額または一部負担する義務も制度上定められています。
帰国後もSNSやメールで連絡を保ち続けることで、再来日の可能性や現地ネットワークの形成、紹介・再雇用といった将来的な活用も期待できます。単なる送り出しで終わらせず、最後まで丁寧なサポートを行うことが、企業にとっての信頼にもつながります。
特定技能1号人材が5年後も日本で働き続ける方法
特定技能1号の在留期間は、原則として「通算5年間」と制限されていますが、企業が早期からキャリア支援を行い、在留資格の移行や変更を適切にサポートすることで、外国人材が継続して日本で働き続ける道を拓くことができます。ここでは、外国人材の将来設計を見据えた企業側の対応策を整理します。
- 特定技能2号移行を見据えた早期のキャリア支援を行う
- 在留資格変更の可能性を個別に検討する
- 育成計画と制度対応を社内に仕組み化する
特定技能2号移行を見据えた早期のキャリア支援を行う
特定技能2号への移行は、5年後も日本での就労を継続できる主要な手段の一つです。ただし、移行のためには「一定年数の実務経験」と「技能評価試験」の合格が必要となり、分野によっては日本語能力試験(JLPT)の基準も設定されています。
そのため、早い段階から語学研修や試験対策を支援し、業務経験の蓄積が可能な職務配置を行うことが重要です。企業としては、外国人材本人と定期的な面談を実施し、キャリアパスを明確に描いたうえで、長期的な目標設定を共有する体制づくりが求められます。
在留資格変更の可能性を個別に検討する
すべての外国人材が特定技能2号へ移行できるわけではありません。中には「技術・人文知識・国際業務」や「介護」といった他の在留資格へ変更することで、長期的な雇用が可能になるケースもあります。
在留資格変更には、学歴や職務内容との適合性、試験合格などの要件があるため、本人の希望や能力、業務実態を踏まえた個別のキャリア相談が不可欠です。企業側では、制度要件を把握したうえで、外部専門家と連携して実現可能性を検討する体制を整えておくと良いでしょう。
育成計画と制度対応を社内に仕組み化する
特定技能1号の在留期間が5年と定められている以上、企業は初期段階から「5年後」を見据えた計画的な人材育成と制度対応を行う必要があります。たとえば、技能評価試験のスケジュールに合わせた研修計画の策定、評価制度の見直し、在留資格移行に向けた情報提供体制の構築などが挙げられます。
また、法令改正や制度変更にも迅速に対応できるよう、総務・人事部門が制度運用の責任を明確にし、担当者教育を進めておくことが望まれます。
特定技能1号人材が5年後に帰国する場合の手続きと注意点
残念ながら在留資格の移行が実現できない場合、外国人材は帰国する必要があります。この場合でも、企業には制度上の「帰国支援義務」が課されており、円滑な帰国に向けた準備を進めることが求められます。ここでは、実務上の注意点と対応策を解説します。
帰国支援に関する企業の義務と推奨対応
特定技能所属機関である企業には、帰国する外国人材に対して適切な支援を行う義務があります。具体的には、次のものなどが含まれます。
- 航空券の手配補助
- 荷物の整理
- 住居の退去手続き
- 転出届の提出支援
また、退職に伴う給与清算や社会保険の脱退手続き、在留カードの返納手続きも忘れずに対応する必要があります。外国人材が帰国費用を自己負担できない場合には、企業側が一部または全額を負担することが制度上求められている点にも注意が必要です。
参照元:特定技能の運用に関する基本方針・運用要領(出入国在留管理庁)
在留期間満了前のスケジュール管理を行う
在留資格の有効期限が切れた状態で日本に滞在することは不法残留となり、本人の将来に重大な影響を与えるばかりか、企業にも行政指導や信用失墜のリスクがあります。そのため、在留期限から逆算して帰国準備を進めるスケジュール管理が極めて重要です。
目安としては、帰国予定日の2〜3ヶ月前から手続きを始め、遅延が発生しないよう社内での進捗管理を徹底しましょう。
特定技能1号人材の定着のために企業ができる主な支援
特定技能1号で受け入れた外国人材に5年間安定して働いてもらうには、制度対応だけでなく、生活・職場両面からの支援体制が重要です。ここでは、外国人材が安心して働き続けられるために企業ができる主な取り組みについて解説します。
- 生活支援・相談体制を整備する
- キャリアアップを見据えた職場環境をつくる
- 特定技能2号への移行支援体制を整える
生活支援・相談体制を整備する
言語や文化の違いから、外国人材は日常生活でさまざまな困難に直面することがあります。企業は、生活支援の一環として、通訳スタッフの配置や生活ルールの説明、住居探しの支援などを行うことが求められます。
また、社内に相談窓口を設け、本人の悩みや不安を早期にキャッチし対応できる体制を整備することで、早期離職のリスクも軽減できます。登録支援機関を活用して、外部専門家の協力を得ることも効果的です。
キャリアアップを見据えた職場環境をつくる
外国人材がモチベーション高く働き続けるためには、「評価される」「成長できる」と実感できる職場づくりが欠かせません。具体的には、職務評価に基づく昇給制度の整備や、外国人材向けの研修プログラム、キャリアアップに向けた目標設定面談などが効果的です。
また、日本人社員との連携を強化することで、チームとしての一体感も高まります。
特定技能2号への移行支援体制を整える
5年後の在留継続を実現するためには、特定技能2号への移行支援が重要なカギとなります。企業としては、技能評価試験や日本語能力試験(JLPT)の受験に向けたスケジュール調整、試験情報の提供、学習時間の確保、必要書類の準備支援などを行う必要があります。
また、本人の希望を尊重しつつ、実際の業務経験と制度要件の整合性を確認することで、移行の成功率を高めることができます。
特定技能外国人の支援サポートは外国人材採用ラボをご利用ください
特定技能制度を活用して外国人材を受け入れる際には、採用だけでなく、在留資格や生活支援、職場での定着など幅広い対応が求められます。自社内でこれらすべてを適切に行うのは難しいと感じる企業も少なくありません。
そうした場合に活用して頂きたいのが、当社株式会社クレイプラスが運営する「外国人材採用ラボ」です。制度理解から人材紹介、受け入れ体制の整備、就業後のサポートまで、特定技能制度に関する業務を採用から定着まで一貫して支援します。最後に、外国人材採用ラボの概要と、提供するサービスを紹介します。
外国人材採用ラボとは
外国人材採用ラボは、株式会社クレイプラスが提供する外国人雇用に特化した採用支援サービスです。企業ごとに異なる課題や目標に合わせて、最適な採用・支援プランを提案し、採用活動の成功と外国人材の長期定着を支援しています。
人材会社として中小企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ
外国人材採用ラボは、長年にわたり企業の深刻な人手不足に真正面から向き合い、数多くの成功事例を築いてきました。単に人材を紹介するだけではなく、企業の組織風土や現場の業務内容を理解したうえで、長く活躍してくれる人材を厳選して紹介します。「今だけの単なる人手」ではなく、「未来を支える仲間」としての採用を支援しています。
マーケティングの力により、幅広く人材を探し出す
私たちは独自のリサーチネットワークとデジタルマーケティング手法を活用し、国内外から優秀な特定技能候補者の情報を収集しています。特定の国に偏らず、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ネパール、ミャンマーなど多様な国籍から企業のニーズに合った人材をご提案できます。
また、技術分野や業務内容、勤務条件といった詳細な要望にも対応できる柔軟性があり、専門性の高いポジションでも最適なマッチングが可能です。
一人ひとりと丁寧に面談を実施している
紹介する外国人材には、必ず複数回の個別面談を行い、日本語力や技術スキルだけでなく、性格・価値観・キャリア志向までを深く理解しています。この面談プロセスによって、企業と外国人材の間で生じがちな「ミスマッチ」を大幅に減らすことができ、高い定着率と職場満足度を実現しています。企業からのヒアリング情報も面談に反映されており、受け入れ後のコミュニケーションギャップを防ぎます。
外国人材の一括支援サービス
外国人材採用ラボでは、特定技能制度における義務的支援を含め、外国人材の採用から就労後までを一貫してサポートするサービスを提供しています。
たとえば、外国人材が日本で安心して生活を始められるよう、住居の手配や銀行口座・携帯電話の契約支援、行政手続きへの同行など、生活基盤の整備を丁寧にお手伝いします。また、定期的な面談や相談対応を通じて、職場や日常生活での不安や悩みを早期に把握し、トラブルの未然防止にも取り組んでいます。
さらに、日本語研修や制度に関する説明などの教育支援を通じて、現場での早期戦力化と職場定着をサポートします。特定技能2号への移行を希望する人材には、技能評価試験の準備や申請手続きに関する支援も行っています。
こうした総合的な支援により、企業は煩雑な実務負担から解放され、安心して外国人材を受け入れられる環境を整えることができます。
外国人材の紹介サービス
外国人材採用ラボでは、特定技能制度の要件を満たした即戦力人材のみを厳選し、各企業に最適な候補者をご紹介しています。紹介する外国人材は、分野ごとに定められた技能試験に合格し、日本語能力試験(JLPT)N4相当以上の資格を取得しているなど、実務に必要な基礎を備えています。
人材紹介にあたっては、まず企業の業種や必要なスキル、日本語レベルなどを丁寧にヒアリングし、条件に合った最適な人材をご提案します。また、候補者とは事前に複数回の面談を行い、宗教的配慮や食生活、喫煙習慣など、現場でのトラブルになりやすい点も事前に確認。企業とのミスマッチを防ぐ体制を整えています。
対応可能な分野も幅広く、介護、建設、製造業、外食業などさまざまな分野に対応しています。紹介後も必要に応じて相談対応やアフターフォローを行い、外国人材が職場に定着するまでしっかり支援します。
「紹介して終わり」ではなく、「採用して、活躍し、長く働いてもらう」ことを重視しているのが、外国人材採用ラボの大きな特長です。
まとめ
特定技能1号で採用した外国人材に、5年後も継続して活躍してもらうためには、制度の正しい理解と中長期的な人材育成・マネジメントが欠かせません。特定技能2号への移行や、他の在留資格への変更といった選択肢を視野に入れたうえで、企業としてどのような支援ができるのかを今から計画的に考えておくことが、安定した人材確保につながります。
外国人材採用ラボでは、在留資格の制度解説から人材育成の支援、試験対策や移行手続きに関するサポートまで、企業の皆さまが安心して外国人材を受け入れ・定着させられるよう、専門的なサービスを提供しています。制度対応に不安がある、計画的な人材戦略を立てたいという方は、お気軽に外国人材採用ラボにお問い合わせください。