公開日: 2025.05.22
【2025】特定技能の「家賃負担」は会社がすべき?住居のルールをわかりやすく解説
特定技能の「家賃負担」は会社がすべき?住居のルールをわかりやすく解説

近年、人手不足が深刻化しているのに伴い、特定技能外国人を採用する企業が増えています。新たに特定技能外国人の採用を検討している企業からは「外国人材の住居にかかる費用は受入れ機関側が負担すべきか」「住宅や家賃に関する詳しいルールが知りたい」といった質問や相談が多く寄せられています。

今回は、特定技能外国人の住居や家賃に関するルールや、受入れ機関側が負担しなければならない住宅関連の費用などについて詳しく解説していきます。特定技能外国人の採用・支援にお悩みの経営者や人事担当者の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

特定技能外国人の家賃は基本的に本人負担で問題ない

特定技能外国人の住居にかかる家賃は、基本的に本人負担で問題ありません。ただし、特定技能1号の外国人材を採用する場合、受入れ機関が住居の確保を支援する必要があります。

また、場合によっては、受入れ機関が一部の費用を負担しなければならないこともあります。ここでは、受入れ機関が家賃の一部を負担しなければならないケースや、任意で家賃の一部を負担するケースについて紹介します。

企業が家賃の一部を負担しなければならないケース

特定技能1号の外国人材を採用する場合、受入れ機関はさまざまな方法で本人の住居の確保を支援する必要があります。

受入れ機関が賃貸住宅を借りて外国人材に提供する場合、敷金・礼金・保証料を外国人材に負担させることができません。そのため、借り上げ住宅の敷金・礼金・保証料などの費用は受入れ機関側が負担する必要があります。

外国人材本人が賃貸契約をする場合の敷金・礼金などは、本人負担で問題ありません。ただし、家賃債務保証業者を利用する場合の保証料については、受入れ機関側が負担する必要があります。

任意で企業が家賃の一部を負担するケース

特定技能外国人は、日本人社員よりも報酬や福利厚生などの労働条件にシビアな方が多いです。この背景には、母国への仕送りや奨学金の返済などの事情があります。

近年、特定技能外国人の労働力としての需要が増えるに伴い、採用上の競合企業に対する競争優位性を高めるために、受入れ機関が社宅や借り上げ住宅を提供したり、家賃補助を出したりするケースもあります

また、家賃の一部を負担することで、受入れ機関に対する愛着や信頼が高まり、長く定着するきっかけになることもあります。

特定技能1号の外国人材を採用する場合は受け入れ機関による住居確保の支援が必要

特定技能1号の外国人材を採用する場合、受入れ機関は特定技能運用要領で定める「義務的支援」を提供する必要があります。義務的支援の中には、外国人材の住居の確保を支援することも定められています。ただし、外国人材が既に住居を確保している場合はこの限りではありません。

具体的には、外国人材の希望に基づき、次のような方法で支援を実施することが一般的です。

  1. 外国人材の住居探しを補助する
  2. 企業が住居を借りて外国人材に提供する
  3. 企業が所有する社宅・社員寮などを外国人材に提供する

ここでは、具体的な住居確保の支援方法や、それぞれのパターンにおける家賃負担の要否について解説します。

参照元:特定技能運用要領(出入国在留管理庁)

外国人材の住居探しを補助する

一つ目の支援方法は、外国人材の住居探しを補助することです。具体的には、受入れ機関は外国人材が滞りなく賃貸借契約を締結できるよう、不動産仲介事業者や賃貸物件に関する情報を提供する必要があります。

また、必要に応じて外国人材に同行のうえ、住居探しをサポートします。外国人材の希望や近隣の賃貸物件の家賃相場、本人に支給される報酬額などを踏まえて、適切な住居を確保できるよう補助しましょう。

外国人材の連帯保証人として適切な人がいない場合、受入れ機関は次のいずれかの支援を行う必要があります。

  1. 受入れ機関が連帯保証人となる
  2. 利用可能な家賃債務保証業者を確保し、受入れ機関を緊急連絡先とする

外国人材が賃借人となって賃貸借契約を締結している場合、住宅にかかる家賃や敷金・礼金は本人負担で問題ありません。ただし、家賃債務保証業者を利用する場合の保証料については受け入れ機関側が負担する必要があります。

受け入れ機関が住居を借りて外国人材に提供する

二つ目の支援方法は、受入れ機関が住居を借りて外国人材に提供することです。具体的には、受入れ機関が賃借人となって賃貸借契約を締結した上で、外国人材の合意のもと、住居として提供します。

受入れ機関が賃借人となって賃貸借契約を締結している場合、家賃は本人負担で問題ありませんが、敷金・礼金・保証料については受入れ機関側の負担となります。また、受入れ機関が外国人材から徴収する費用についても、特定技能運用要領の定めに従って合理的な額の範囲内とする必要があります。

企業が所有する社宅・社員寮などを外国人材に提供する

三つ目の支援方法は、受入れ機関が所有する住居を外国人材に提供することです。具体的には、受入れ機関が所有する社宅や社員寮などの物件を、外国人材の合意のもと、住居として提供します。

この場合についても、家賃は本人負担で問題ありません。ただし、外国人材から徴収する家賃などの費用については、特定技能運用要領の定めに従って合理的な額の範囲内とする必要があります。

企業が特定技能1号の外国人材の住宅の確保を支援すべき理由

受入れ機関は、なぜ特定技能1号の外国人材の住居の確保を支援しなければならないのでしょうか?その背景には、外国人材が賃貸借契約を締結することへの難易度の高さがあります。

外国人材が賃貸物件を借りるのが難しい主な理由には、次のものが挙げられます。

  • 外国人であることを理由に賃貸物件を貸したがらない大家がいる
  • 日本に知り合いがいないため、連帯保証人を確保できない
  • 特定技能1号の場合、在留期間が最長1年(通算5年まで更新可能)だが、2年更新が一般的であるため難色を示されやすい
  • 日本語能力の面から、賃貸借契約に関するやり取りが難しい
  • 日本特有の仕組みである、敷金・礼金・保証金といった概念を理解するのが難しい

昨今、省庁の主導のもと、外国人材が賃貸物件をスムーズに借りられるよう、大家や不動産仲介事業者に対するガイドラインの整備や広報活動が進められています。しかし、まだまだ外国人材が独力で賃貸借契約を締結することには難しさがあります。

このような背景から、特定技能1号の外国人材に対しては企業側が義務として住宅確保を支援しなければならないことになっています。

参照元:

特定技能1号の外国人材への住居の確保・家賃負担に関する留意事項

特定技能運用要領には、特定技能外国人に対する住居の確保・家賃負担に関するさまざまなルールが定められています。ここでは、特定技能1号の外国人材への住居の確保・家賃負担に関する留意事項を解説します。

  • 一定以上の住居の面積を確保しなければならない
  • 住居の提供によって企業が経済的利益を得てはならない
  • 特定技能外国人が転居・退職する場合にも支援が必要

参照元:特定技能運用要領(出入国在留管理庁)

一定以上の住居の面積を確保しなければならない

特定技能外国人の住居を確保する際には、一定以上の面積を確保しなければならない点に注意が必要です。

具体的には、1人あたり7.5㎡以上を満たすことが求められます。ルームシェアなど、複数人の外国人材が同じ住居に居住する場合には、居室全体の面積を居住人数で除した場合の面積が7.5㎡以上でなければなりません

例外として、次のケースにおいては、技能実習制度の定めに従い、1人あたり4.5㎡以上の面積を確保していれば良いことになっています。

  • もともと雇用していた技能実習2号等の外国人材が、在留資格を特定技能1号に変更の上、引き続き同じ受入れ機関で働き、すでに確保している社宅等の住居に居住することを希望する場合
  • もともと雇用していた技能実習生が、一度母国に帰国し、特定技能1号として再入国ののち、同じ受入れ機関で働き、すでに確保している社宅等の住居に居住することを希望する場合

住居の提供によって企業が経済的利益を得てはならない

外国人材に対して借り上げ住宅や社宅を提供する場合、受入れ機関は経済的利益を得てはならないと定められています。そのため、外国人材から徴収する費用については、特定技能運用要領の定めに基づき、合理的な額の範囲内としなければなりません。

たとえば、外国人材から徴収する家賃については、次の定めに従う必要があります。

借り上げ物件の場合

  • 「借り上げに要する費用」を入居する特定技能外国人の人数で除した額以内の額とする。
  • 「借り上げに要する費用」には管理費・共益費を含むが、敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金などは含まない。

自己所有物件の場合

  • 「実際に建設・改築などに要した費用」、物件の耐用年数、入居する特定技能外国人の人数などを勘案して算出した合理的な額とする。
  • 「実際に建設・改築などに要した費用」には、土地の購入代・土地の造成費用などの土地に関する費用は除く。

このほか、住居に付随する家具や家電、食器などの備品類や、火災保険、損害保険などについても、外国人材から定期的に徴収することが可能です。ただし、この場合も、あくまで実費に基づく合理的な範囲内に留めるとともに、外国人材にもその内訳を十分に理解してもらう必要があります。

特定技能外国人が転居・退職する場合にも支援が必要

特定技能外国人が転居・退職する場合にも、受入れ機関が住居の確保を支援しなければならないケースがあります。

たとえば、配置換えなどの理由で、外国人材が現住居から職場に通勤することが困難となる場合には、受入れ機関が住居の確保を支援しなければなりません。このような特段の事情がなく、外国人材が自己都合で転居する場合にはこの限りではありません。

また、外国人材の離職が決まっている場合も、特定技能雇用契約がある間は住居の確保にかかる支援を提供しなければならない点にも注意が必要です。

特定技能外国人への住宅確保の支援は登録支援機関に委託が可能

特定技能1号の外国人材を採用する場合、受入れ機関は義務として住宅の確保を支援しなければなりません。受入れ機関が義務的支援を適切に実施していない場合、外国人材の受け入れが認められなくなってしまう可能性や、懲戒や罰金などの処分を受けるリスクがあります。

そのため、特定技能外国人の採用を検討している企業の中には、「支援に必要な人員を確保するのが難しい」「適切な支援ができるか不安」というお悩みを抱えている方も少なくありません。

特定技能外国人に対する義務的支援は、登録支援機関に委託することができます。登録支援機関とは、出入国在留管理庁の認可を受け、受入れ機関に代わってさまざまな届出や外国人材への義務的支援を提供する機関のことです。

登録支援機関を活用することで、受入れ機関は次のようなメリットが得られます。

  • 法令違反のリスクを減らすことが可能:登録支援機関は義務的支援に関する豊富な知見・ノウハウを有しています。そのため、義務的支援の提供不足による法令違反のリスクを減らすことができます。
  • 受入れ機関にかかる負荷を経験できる:受入れ機関で義務的支援を完結しようとすると、支援責任者や支援担当者に多くの業務負荷やストレスがかかります。登録支援機関を活用することで、このような負荷を最小限に抑えることができます。
  • 外国人材が安心して業務に専念できる:登録支援機関の中には、外国人材の母国語を話せるスタッフが在籍しているところもあります。母国語で質問・相談できる相手を確保することで、外国人材の心理的安全性が高まり、業務に集中できるようになります。また、ミスやトラブル、ストレスの発生を未然に防ぐことも可能です。

「外国人材採用ラボ」は、特定技能外国人の採用から登録支援機関としての支援まで一貫したサポートを提供しています。少しでもご興味をお持ちの方は、「外国人材採用ラボ」までお気軽にご相談ください。

特定技能外国人の採用は登録支援機関の「外国人材採用ラボ」にお任せください

特定技能外国人の住居にかかる家賃は、基本的には本人負担で問題ありません。ただし、借り上げ住宅を提供する場合の敷金・礼金など、一部の費用については、義務的支援の一環として受入れ機関が負担しなければならないケースがあります。

住宅確保にかかる支援のみならず、特定技能1号の外国人材を採用する際には、特定技能運用要領に定める義務的支援を適切に実施する必要があります。外国人材の採用や支援に慣れていない場合には、登録支援機関を活用するのがおすすめです。株式会社クレイプラスが運営する「外国人材採用ラボ」なら、特定技能外国人の採用から登録支援機関としての支援の実施までワンストップで対応可能です。

最後に、特定技能外国人の採用を検討している企業の経営者や人事担当者の方に向けて、株式会社クレイプラスや「外国人材採用ラボ」を紹介します。

外国人材採用ラボとは

「外国人材採用ラボ」とは、株式会社クレイプラスが運営する外国人材紹介サービスです。ここでは、外国人材採用ラボの3つの特長を紹介します。

  • 人材会社として企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ
  • マーケティングの力により、幅広く人材を探し出す
  • 一人ひとりと丁寧に面談を実施している

人材会社として企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ

株式会社クレイプラスには、企業が陥っている深刻な人手不足の解消というテーマにむきあい続けてきた歴史があります。「紹介して終わり」ではなく「企業への定着」というゴールを見据えるからこそ、お客様の経営状況や事業ステータス、組織風土、価値観を深く理解し、人材を選定する原則が働いています。

全業種対応型のHR事業も運営しているため、さまざまな業種・業態に対する理解度の深さにも自信があります。

マーケティングの力により、幅広く人材を探し出す

外国人材採用ラボの強みは、多様な人材を探し出す独自のマーケティング戦略です。

外国人材の母国語を話せるコーディネーターが在籍しているため、日本語の求人票を求人候補者の母国語に翻訳したうえで、魅力的に感じる要素をクリエイティブ化するなどしてリードを獲得しています。また、SNSを中心とした安定的な集客経路を確保しつつも新たな経路の開拓に力を注ぐことで、紹介可能な候補者層の質・量の改善に取り組み続けています。

一人ひとりと丁寧に面談を実施している

外国人材採用ラボでは、一人ひとりの候補者と丁寧に面談を実施しています。具体的には、候補者の母国語を話せるオペレーターが、電話やウェブ会議による一次選定・二次選定を実施しています

「喫煙」「宗教」「食事」「集団生活」といった、トラブルの種となりそうな情報も事前にクリアリングしています。「お客様に紹介すべき候補者かどうか」を徹底的に見極めるプロセスを実施しているからこそ、質の高い候補者を紹介することができます。

外国人材採用ラボなら登録支援機関としての支援が可能

外国人材採用ラボを運営する株式会社クレイプラスは、外国人材紹介事業者でありながら、登録支援機関として認可されています。住宅確保の支援に加えて、在留資格の届出・手続きのサポートや、入国手続き・送迎代行など、義務的支援の実行をまるごとお任せいただくことが可能です。

また、外国人材採用ラボには、外国人材の母国語を話せるコーディネーターが在籍しています。賃貸借契約の説明や事前ガイダンス、生活オリエンテーションなどの場面で、契約内容や就業規則、働く上でのルールや注意事項などを外国人材の母国語でわかりやすく説明しています。

外国人材採用ラボに支援を委託いただくことで、受け入れ機関の担当者の負荷を最小限に抑え、外国人材に安心して職場で活躍してもらうことが可能です。

外国人材採用ラボの外国人材の紹介サービス

外国人材採用ラボは、人手不足に陥っている企業で即戦力として活躍できる特定技能外国人を紹介しています。

候補者は、特定技能1号の在留資格を取得するのに必要な日本語試験・技能試験の基準を満たしているため、業務に関する一定の知見やノウハウがある状態でスムーズに就業を開始することができます。また、就業意欲が高く、残業や夜勤にも積極的に取り組める候補者を中心に紹介していることも特徴です。

まとめ

特定技能1号の外国人材に対しては、義務的支援として住居の確保をサポートする必要があります。住居確保の支援方法によっては、一部の家賃を負担しなければならない場合もあります。

受入れ機関での義務的支援の提供に不安がある場合には、登録支援機関への委託がおすすめです。法令違反のリスクを防ぎ、外国人材に対して適切な支援を実施できます。

「外国人材採用ラボ」なら、住居の確保を含むさまざまな義務的支援を受入れ機関に代わって提供することが可能です。特定技能外国人の採用・支援に関するお悩みは「外国人材採用ラボ」までお気軽にお問い合わせください。