公開日: 2025.08.04
【2025】在留資格「介護」の要件|外国人材の取得要件・企業の受入れ要件を解説
在留資格「介護」の要件|外国人材の取得要件・企業の受入れ要件を解説

高齢化により介護業界は、慢性的な人手不足に直面しています。多くの企業が人手不足解消のために期待しているのが、さまざまな外国人を受け入れる制度です。その中でも長期的な人材確保を希望している企業は、在留資格「介護」に注目しています。

しかし、受け入れるには、外国人材本人だけでなく企業側にも満たすべき要件があります。制度の仕組みを正確に理解し、準備を整えておかないとスムーズな採用ができず、採用後もトラブルにつながる可能性があります。

そこで今回は、在留資格「介護」の概要や取得するための要件、受け入れるために企業が満たすべき要件について解説します。在留資格「介護」で外国人材の受け入れを検討している企業は、参考にしてみてください。

在留資格「介護」とは

在留資格「介護」は、日本の介護施設で働く外国人材を受け入れるために創設された制度です。取得するためには国家資格である「介護福祉士」を取得しなければならないことに加え、高い日本語能力も求められるため取得するのが難しい在留資格といえます。

そのため、取得難易度が高く、在留資格「介護」外国人材を採用するのは難しい状況となっています。

項目内容
在留資格の対象者介護福祉士の国家試験に合格
日本語能力原則日本語能力試験(JLPT)N2レベル
※法律上の要件はなし
業務内容身体介護・生活援助・医療ケア・訪問介護
就労可能な施設・特別養護老人ホーム
・介護老人健康施設
・介護医療院
・有料老人ホーム
・グループホーム
・デイサービス
・訪問介護事業所 など
在留期間更新制限なし
家族の帯同配偶者と子どもの帯同可
雇用形態無期雇用可能
待遇同様の業務に従事している日本人と同等以上

更新に制限がないため、更新を続ければ長期在留が可能です。更新期間は、3ヶ月、1年、3年、5年のいずれかとなります。

家族の帯同は、規定されている条件を満たせば、配偶者や子どもの帯同が認められます。家族であることや養っていく経済力があることを証明しなければならないため、結婚証明書や出生証明書、住民税の課税証明書などの書類を揃える必要があります。

在留資格「介護」が認められている業務

在留資格「介護」の外国人材は「介護福祉士」を取得しているため、介護福祉士に認められている業務に従事可能です。そのため、次の業務が認められています。

業務概要
身体介護利用者の身体に直接触れて行う介助で、食事介助や入浴介助、排泄介助、移動介助などが当てはまります。
生活介助利用者の身体に直接触れずに行う介助で、掃除や洗濯、食事の準備などが該当します。
介護記録の作成介護内容を記録し、利用者の変化の見逃し防止や支援の質の向上に役立てます。
医療的ケア研修を受ければ、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが行えます。
生活リハビリ理学療法士などの専門職が立てたリハビリ計画を、日常生活の中で継続・応用できるように支援できます。
訪問介護利用者の自宅を訪問し、身体介助や生活介助をして日常生活のサポートをすることです。

外国人材が在留資格「介護」を取得するための要件

外国人材が在留資格「介護」を取得するには、次の要件を満たす必要があります。

  • 介護福祉士養成施設の修了と介護福祉士の国家試験合格
  • 日本の介護施設との雇用契約
  • 高い日本語能力
  • 学歴

介護福祉士養成施設の修了と介護福祉士の国家試験合格

外国人材が在留資格「介護」を取得するには、日本国内で介護福祉士としての専門教育を受けたあと、国家資格に合格しなければなりません。

専門学校や短大、大学の介護課程を修了すると、介護福祉士の国家試験受験資格を得られます。なお、養成施設を卒業していない場合でも、3年以上かつ540日以上の実務経験と最長450時間の実務者研修を修了すれば受験可能となります。

国家試験は、年に1回実施され、合格率は約70%です。しかし、日本語で試験を受けなければならないため、外国人は入念な準備が不可欠です。

日本の介護施設との雇用契約

介護福祉士を取得しても、日本の介護施設と雇用契約を結び、介護業務に従事することが決まっていなければ、在留資格「介護」を取得できません。また、業務内容は介護福祉士としての専門業務に限られます。清掃や配膳などの付随業務だけでは、要件を満たしません。

高い日本語能力

介護現場では、利用者との円滑なコミュニケーションが欠かせません。そのため、日本語能力試験(以降、JLPT)N2相当と高い日本語能力が求められます。ただし、JLPT N2を受験して合格する必要はなく、JLPT N2以上の日本語能力を身につけていれば問題ありません。

学歴

介護福祉士養成施設に入学するには、母国で12年以上の学校教育を修了していることが一般的な条件です。これは、日本で高校卒業と同等の教育を受けたことに相当すると見なされます。

12年未満の教育しか受けていない場合は、日本の高等学校卒業程度認定試験に合格したり、準備教育課程を修了したりする必要があります。

在留資格「介護」外国人材の受け入れ要件

在留資格「介護」の外国人材を受け入れる企業にも、要件を満たすことが求められます。ここでは、受入れ機関(受入れ企業)が満たすべき要件を解説します。

施設の種別と対象業務

在留資格「介護」の外国人材を受け入れるには、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービス・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・グループホーム・訪問介護事業所など介護保険法に基づく施設や事業所が対象となります。

また、担当してもらう業務内容は、出入国管理及び難民認定法で認められたものに限られます。介護福祉士は、身体介助や日常生活の支援など介護業務に従事可能で、清掃や洗濯といった付随業務をメイン業務にはできません。

守らなかった場合、受入れ機関側は、不法就労助長罪に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に科せられる可能性があるため注意が必要です。悪質な場合は、企業名が公表され、企業の信用低下につながります。一方、外国人側は、在留資格の取消・更新不許可になることがあります。

労働条件と社会保険加入

在留資格「介護」の外国人材を雇用する企業は、適切な労働条件の整備と日本人と同等の待遇を提供しなければなりません。賃金、労働時間、休暇、福利厚生などについて、不当な扱いをしないように十分配慮しなければなりません。最低賃金法違反は50万円以下の罰金、労働基準法違反は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に科せられることがあります。

また、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険や労働保険への加入も義務付けられています。未加入の場合は、罰金やさかのぼっての徴収、延滞金が発生することがあります。

在留資格「介護」の外国人材を受け入れる企業が満たすべき補足要件

在留資格「介護」を取得した外国人材を受け入れる企業には、法的な義務ではありませんが実務上満たすべき補足要件があります。これらの補足要件は、外国人材が長期間、安心して働ける環境を整えるために重要です。ここでは、在留資格「介護」の外国人材を受け入れる企業が満たすべき補足要件について解説します。

  • 支援体制の整備
  • 労務管理に関する法令遵守
  • 文化や宗教への配慮と理解

支援体制の整備

受入れ機関は、外国人材が職場や生活環境に早く適応し、安心して働けるようにさまざまな支援体制を整備しなければなりません。具体的には、業務や職場の人間関係の悩みを相談するための窓口の設置や日本語学習支援、在留資格更新手続きのサポートなどです。

銀行口座の開設や携帯電話の契約、光熱費の支払い手続きなど生活面のサポートもしなければなりません。さらに、定期的に面談やヒアリングも実施し、悩みなどを把握しサポートすることで、外国人材が安心して働けるようになります。

このような支援体制の整備は、離職防止や定着率向上につながります。

労務管理に関する法令遵守

日本人と同様に、外国人材も適切な労務管理を行う必要があります。勤務時間や残業、休日・有給休暇管理、深夜労働などについて、労働基準法など関連法令を遵守しなければなりません。労働基準法や出入国管理及び難民認定法などを遵守しなかった場合は、罰則が科せられる可能性があります。

文化や宗教への配慮と理解

外国人材の文化的背景や宗教的な習慣を尊重することが大切です。食事や礼拝習慣、宗教行事への配慮をすることが、職場でのトラブルを未然に防ぐことにつながります。

加えて、日本人職員に向けて、異文化理解のための研修を実施することで相互理解が深まり、良好な人間関係づくりに役立ちます。外国人材にとって居心地のよい職場環境は、業務に安心して集中できるだけでなく、定着率向上にもつながります。

外国人介護人材を訪問系サービスに従事させるための要件

外国人介護人材の訪問介護への従事については、在留資格の種類により要件が大きく異なります。そのため、在留資格「介護」と他の制度との違いを整理しておきましょう。

在留資格「介護」を取得した外国人材は、日本人の介護福祉士と同様に、利用者の自宅で1対1の介護業務を行う訪問系サービスに従事可能です。その際、特別な研修の受講や追加の要件などはありません。

一方、特定技能や技能実習などの外国人介護人材は、原則として訪問介護サービスに従事することはできません。ただし、1年以上の実務経験または日本語能力試験(JLPT)N2以上

の合格、そして以下の追加要件を満たすことで訪問介護サービスに従事可能となります。

  • 訪問系サービスに必要な研修の実施
  • 同行訪問等によるOJTの実施
  • 外国人介護人材の意向確認とキャリアパスの構築
  • ハラスメント対策
  • ICTの活用による環境整備
  • 利用者・家族への説明

ここでは、介護福祉士資格を取得していない外国人材が訪問系サービスに従事するための要件について解説します。

訪問系サービスに必要な研修の実施

受入れ機関は、訪問系サービス特有のルールや危険を理解してもらうために、必ず事前研修を実施しなければなりません。介護施設での業務と異なり訪問系サービスでは、周りの職員に助けてもらうことが難しく、リスク対応力と適切な判断力を育成することが重要であるためです。

研修の内容は、訪問介護の基本事項や具体的技術、緊急対応、日本の生活様式、利用者や家族とのコミュニケーションの取り方、感染症対策、嫌がらせや差別を受けたときの対応などが含まれます。

同行訪問等によるOJTの実施

最初から外国人材が一人で利用者の自宅に訪問するのではなく、外国人材が訪問系サービスの提供を一人で適切に行えるように、一定期間、サービス提供責任者や先輩職員などが同行する必要があります。OJTで見つかった課題は、定期的にフィードバックを行い、必要に応じて業務を改善していくことが大切です。

外国人介護人材の意向確認とキャリアパスの構築

外国人介護人材と定期的に面談を行い、意向や不安を丁寧に確認することが大切です。さらに、キャリアパスを明確にし、学習やスキルアップを支援する体制を整えることで、安心して訪問系業務に従事できる環境を整えなければなりません。

面談では、外国人介護人材のやりがいや不安を確認し、研修や配置転換に反映させます。キャリアマップをわかりやすい形で示してあげることで、将来像を想像しやすくすることが重要です。

ハラスメント対策

一般的に、訪問サービスは利用者と介護者が1対1で業務を行います。そのため、企業の目の届きにくい状況でハラスメントが起こる可能性があります。

したがって、受入れ機関は予防・早期発見・再発防止の仕組みを整えることが求められます。ハラスメントに当たる行為や対応の流れをまとめておくことが必要です。

相談窓口は上司や外部機関など複数用意し、いつでも相談しやすい体制を整えます。トラブルが発生した際は、作成しておいたマニュアルに沿って迅速に対応します。

ICTの活用による環境整備

訪問介護は、一人で利用者の自宅に行くことが多いため、すぐに連絡が取れる体制と安全確認の仕組みを整備しておくことが重要です。

スマートフォンに通報アプリをインストールしておき緊急時にすぐ対応できるようにしたり、GPSで行動記録を取り安全を確保したりすることが有効です。また、オンライン会議やeラーニングを活用して、遠隔での指導やケースカンファレンスを行うこともできます。

緊急時の対応フローなどをまとめたマニュアルの作成などもしておくことが望ましいです。システム障害や通信が使えなくなったときのバックアップ方法も準備しておく必要があります。

利用者・家族への説明

外国人材が利用者の自宅に訪問し介護業務を行うことを、事前に利用者・家族に書面で説明し、同意を得ておくことでトラブルを未然に防ぐことにつながります。外国人介護人材の実務経験や利用者・家族が不安を感じたときに連絡するための相談窓口や事業所連絡先などを伝えておくことが大切です。

訪問介護をやめたいときや、担当者を変えたいときの手続きについても、わかりやすく説明しておきます。説明しなければならない内容をまとめた書面を作成し、書面で確認しながら説明すると説明漏れを予防できます。また、利用者・家族の質問や不安には丁寧に答え、内容を記録に残しておくことも重要です。

外国人材の支援サポートは「外国人材採用ラボ」をご活用ください

深刻な人手不足に悩んでいる企業様にとって、外国人材の受け入れが現実的な選択肢として広がる中、企業側には制度理解や雇用管理、生活支援体制の整備など、多くの課題と対応が求められています。こうした課題を解決し、採用から定着までをスムーズに進めるには、専門性の高いパートナーの存在が欠かせません。

最後に、外国人の紹介から生活支援までを一括して提供し、高い定着率と採用成功実績を誇る「外国人材採用ラボ」の特徴と、提供サービスの内容を紹介します。制度の複雑さに不安を抱える企業様にとって、心強い支援となるはずです。

外国人材採用ラボとは

外国人材採用ラボは、株式会社クレイプラスが運営する外国人材紹介サービスです。企業と外国人材の双方にとって最良のマッチングを実現し、特定技能外国人材の事前教育から定着サポートまで提供しています。

人材会社として中小企業の人手不足解消にむきあい続けた歴史を持つ

株式会社クレイプラスは、企業の人手不足解消に長年向き合い続けてきた実績があります。そのため、単に外国人材を送りつけて終わりのような乱暴な紹介はしておらず、事業拡大や組織風土にマッチするような、企業DNA、価値観にあう人材を厳選するよう心がけています。

マーケティングの力により、幅広く人材を探し出す

外国人材採用ラボは、独自に構築したマーケティング戦略を活用し、国内外から優秀な特定技能外国人材候補者を幅広く確保しています。安定した人材獲得ルートを持ちながらも、あえて固定化せずに、常に質の高い人材の確保と拡大に努め続けています。その結果、企業のニーズに最適な人材の紹介を可能にし、企業の採用成功率を向上させています。

一人ひとりと丁寧に面談を実施している

豊富なルートで質の高い特定技能外国人材候補者を確保しているため、多様な人材の中から企業のニーズに最良な外国人材を厳選できます。加えて、一人ひとりと丁寧に面談を実施し、人間性やスキル、経験、就労意欲などを徹底して確認します。「事前確認もなくいきなり紹介」というようなことは決してしていません。

また、企業とのミスマッチを未然に防ぐために、徹底した面談を通じて、候補者の資質や適性を丁寧に見極めています。喫煙や宗教、食事、集団生活といったトラブルの種になりそうな情報は、事前に詳細なヒアリングを実施し、必要な情報とともに紹介することで、採用後のトラブルを未然に防ぎます。

このような丁寧な面談を行うことが、採用後のギャップを最小限に抑えることにつながり、定着率の向上を実現しています。

外国人材の一括支援サービス

特定技能外国人を採用した企業には、法律で定められた10項目の「義務的支援」が課せられます。外国人材採用ラボでは、専門知識が必要な支援業務をすべて代行する「一括支援」サービスで、企業様の負担を大幅に軽減します。主な支援内容は、次のとおりです。

  • 生活全般のサポートを行う:住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約などを支援する。
  • 各種手続きに同行する:役所での手続きや、その他必要な公的手続きに同行する。
  • 定期的なコミュニケーションをとる:定期的な面談を実施し、仕事や生活の悩みをヒアリングし、孤立を防ぐ。
  • その他のサポートが充実している:日本語学習の機会提供、地域住民との交流促進などを支援する。

公的な手続きや時間のかかる作業を代行することで、担当者様は本来のコア業務に集中できます。「義務的支援代行サービス」を利用すれば、法令遵守の不安もなく、安心して外国人材を受け入れられる体制を構築できます。

外国人材の紹介サービス

「外国人材採用ラボ」では、特定技能制度の要件をクリアした、即戦力となる優秀な人材をご紹介しています。候補者探しの手間をかけることなく、自社のニーズに合った質の高い人材と効率的に出会えます。外国人材紹介サービスの特徴は次のとおりです。

  • 確かなスキルと日本語力を提供できる:紹介する人材は、分野別の技能評価試験と日本語能力試験の両方に合格済みで、入社後すぐに活躍できるスキルを持っている。
  • 多様な業種に対応できる:介護・建設・製造・外食など、人手不足が深刻な様々な分野のニーズに対応できる。
  • ワンストップで採用を支援できる:候補者の選定から面接設定、採用決定までを一貫してサポートするので、企業の採用活動にかかる時間と労力を大幅に削減できる。

質の高い人材とのマッチングを、スピーディーに実現できるのが「外国人材紹介サービス」です。

まとめ

在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人材に、高齢化が進む日本の介護現場で活躍してもらうために創設された制度ですが、外国人材本人と受入れ機関が満たすべき多くの要件があります。

在留資格「介護」を効果的に利用するためには、外国人材の受け入れ手続きをスムーズに進めることに加え、受入れ機関が満たすべき要件を整える体制作りが重要です。しかし、外国人材の受け入れノウハウがない企業にとって、複雑な手続きや環境整備は大きな負担となってしまうこともあります。

「外国人材採用ラボ」は、採用から定着支援まで一貫したサポートを提供しています。外国人材の受け入れをお考えの企業様は、お気軽にお問い合わせください。

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